その他の釣り

2009/12/21

雪風の吹く頃

 間もなく冬至を迎える12月の或る日、、、雪交じりの冷たい師走の風が丸めた肩越しを強い勢いで吹き流れて行く。。。

 シーズンが終わり、、、毛鉤竿片手に川辺へ立つことも無くなった山女魚釣り師が、歳末の熱気と共に気忙しく賑やかな人出となった街頭を打合せに向かうため、足早にやり過ごしながら、通り過ぎて来た山女魚の棲む川辺の風景を心に思い描いている。。。

 毎年訪れてくる禁漁期特有の虚無感、、、幾多の人生経験で打たれ強くなった筈の不良中年はこの冬もまた。。。
人が込み合う往来で人気の無い夕暮れの川辺を無性に懐かしく感じるのは、きっととても疲れている証拠なんでしょう。。。

 先日、フト仕事の合間に、事務所のTVモニターを点けてみたら、、、、、
突然流れて来た唄に・・・思いがけず釘付け。。。

 「君にサヨナラを」 作詞/作曲:桑田佳祐

 近々の身辺での出来事が、唄に耳を傾けるウチ俄かに思い出され、、、歌詞の内容もうらぶれた我が心に穏やかに沁みてキテ。。。。。   ココロ・・・ ウタレタ・・・ 。

 過ぎた季節への寂寥・・・ そして来る季節への期待・・・ それぞれが入り混じる師走の我が釣り心へ去来する季節の風景。。。


Dsc02978_2 昨日は昼過ぎから上の息子に付き合ってもらい、晩飯の食材調達の海釣りへ。

 30年も昔に愛用していた ABU506 と アンバサダー5500C へフェンウィック製のカーボン・ロッドの道具建てに、、、即席の根魚リグを組んで・・・アオイソメ餌の探り釣り。。。

 目星を付けていた給部浜漁港の岸壁スレスレに仕掛けを落とし込んで誘うと・・・すかさずアイナメ特有のゴンゴン、、、ゴン・・ゴン・・・グウーッ。。。  アタリが。。。

 一拍送り込み、そして穏やかな、、、聞きアワセ!  

 グウンッ・・・乗った!

 フェンウィック製のカーボン・ロッドが大きく撓み込みながら・・・キリキリ、、、水底から引きずり出されたアイナメが水面から素早く抜き揚げられて。。。 

 ドサッ! 船着場のコンクリートで跳ね回っている。。。

「 オオ~ッ! ヤッタ! すげ~! オトーサン、釣れたネ! それ、何てサカナ?」と中一になる上の息子。

『 こいつはネウだ! よ~し、、、明日の晩飯のオカズはアイナメ(宮城の呼び名:ネウ)の塩焼きだゾ! 美味いんだ! 早くお前も釣れよ! 』と釣りバカなオヤジが叫んで。。。


 一時・・・禁漁期特有の虚無感は、給部浜漁港の岸壁の上で薄れて行き・・・少年の頃の純粋無垢な釣り心が膨らんで居る。 

 餌釣りも、ルアーでの釣りも、、、そして毛鉤釣り、、、どれもがホント楽しい!とここに至って素直に感じている自分。  そう、ココロからの釣りバカなんですよ。  付けるクスリが無い。。。  

 しかし、、、そんなDNAを受け継いだ我が上の息子も、黙々と夕暮れまで極寒の岸壁の上で釣竿を振り続けてたから・・・ いささか釣りへ ハマり込んだ と見受け候。。。


 またいずれ、来てみようか? 今度は下の息子も強制連行して。。。
  
師走の良い釣り旅を。。。

 

 

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2009/05/12

続・親子鷹 ~ 広瀬本流編

 昨日、仙台では薄曇にも係わらず、屋外に居ると日差しを強く感じて汗ばむほどの陽気でした。

昼食を食べ終え、後片付けが一段落した頃、下の息子が「ねえ、オトーサン、、、秋田のじいちゃんがやってるルアーをやって見たいんだけど。。。」と、現在練習中の餌釣りから突然の転向宣言!

 突然、転向したくなったその訳を聞くと・・・・・「だって、、、この間、オトーサンと仙台へ来てた秋田じいちゃんが交代で使ってたルアーだと遠くまで軽々飛ばして楽しそうだし、なんか釣れそうでカッコいいよ! 餌釣りの竿を持ってると右手も疲れて来るし・・・。」とのお言葉。。。


 Dsc02799 ふ~ん、、、ナルホド~。。。  キミの言い分は良く解ったヨ。。。

 しかし、、、川虫の餌釣りの面白さやその威力を知って、、、基本の糸結びや仕掛け全体を創意工夫しながら、、、餌となる水生昆虫とその捕食対象魚の関係を何度も通う内に会得し、、、釣りそのものが上達して川全体を見通せるようになる愉しさ・・・が、、釣りの基本が、、延べ竿の餌釣りに在るのだが。。。

 それに、オトーサン自身も中学時代、勉強はしなくとも毎夕1時間をスピニングとベイトのアキュラシー練習で明け暮れたし、、、秋田じいちゃんも藪の多い渓流のルアーを長いコトやってるから、、、それでポイント打ちやアンダーハンドやサイドハンドの投射が上手いだけなんだよ。。。  簡単にルアーでホイホイ釣れてたら、川から魚が居なくなっちゃうだろ・・・・・
と云ってはみるものの。。。  いま一つ説得力に欠けるよナ~。。。    

 まあ、、、実際に経験させてみるのも・・・イイか?

じゃあ、、、キミにオトーサンの秘蔵ルアーロッドとABUカーディナル33とルアー一式を貸すから、、、代わりにキミの振り出し竿をオトーサンが借りても良いかい?  それで、これから一緒に裏の広瀬川に出掛けよう。。。

 そんな訳で、、、釣りバカ親父が3.6mの振り出し竿の餌釣り支度、、、下の息子は5.5ftのザウルス社ポロン・ウルトラライト+ABUカーディナル33でのルアー釣り支度で広瀬本流の川辺に降り立っていました。


 そんな甘いもんじゃないよ、、、、、と云いながら、つい親父は目ぼしいポイント脇に息子を立たせ・・・・・「いいか?ここからあの岩周りの流れにこの3.5gのスプーンを乗せて、、、そうそう、、、そんな具合にゆっくりリーリングするんだ。 竿先にプルプルとルアーがゆっくり尻振りしてるのを感じながら、、、リーリングは同じ速度で、、、あの岩をかすめるように流すんだぞ。  そんなルアーに虹鱒が反応してくると突然グンッ!と竿先が押されこまれるからナ。。。そうしたら丁寧にリールを巻いて魚を寄せるんだゾ。。。 じゃあ、練習してみな。。。  オトーサンは下流で餌のクロカワムシ採りしてるから・・・。」と言い残して。。。


 膝まで水に入り、餌のクロカワムシ採りを開始早々、息子の叫び声が・・・・・「オトーサン! キター!! キターー!!」

振り返ると、、、、、息子のルアーに虹鱒が掛かって・・・ルアーロッドが弓なり状態。。。。。

思わず、、、川の中から叫ぶ親父。。。『そのまま竿立てながらゆっくりリール巻いて魚を寄せろ! 今行くからナ!』

 バタバタと川辺を駆け付けると、丁度息子は掛かった虹鱒を岸辺に持ち上げようと試みる最中。。。
餌採り用に腰に挿した鮎ダモでこの魚を救い上げると・・・・・少しだけホッとした様子の息子。。。

 「いきなり、グウーーーンってキタよ! ルアーって面白いね、、、オトーサン。。。」と興奮した様子の息子。

そんなに簡単には掛からないはずだけど・・・『すごいナ、、、ホント良かったナ、、、ルアーでも釣れたナ!』

息子の初めてのルアーでの釣果に・・・思わず当初の目論見を忘れて一緒に興奮する釣りバカ親父。。。
まあ、こんなビキナーズ・ラックを続けて行ければ、そのうち釣りも。。。。。

 そう云えば・・・自分のルアーでの一匹目が尺越えの岩魚だった・・・・・あれもビギナーズ・ラックだった。。。
そうして今の自分が居るか。。。


 この後、幾度かヒットするものの、、、セットフックの動作がまだ甘い息子はバラシ続き。。。
対する餌釣り師となった親父は見栄えのしない平瀬にタマウキの餌仕掛けを丁寧に流し続けて・・・・・幾つかの山女魚に多くの虹鱒、、、そして産卵期に入って太めになったウグイをオマケで掛け続け、、、繰り返される取り込みとリリースの風景を遠くで眺めていた息子から「短い竿の餌釣りだってあんなところで沢山釣れるんだね。」・・・・・との感想を引き出すコトに成功。。。

 ふむ、、、しかし、、、息子はやっぱりあの虹鱒のお陰でルアーの方に惹かれて行くんだろうナ。。。残念ながら。
そうして、、、西洋毛鉤釣りにもまた出会うコトに、、、なるか?


 そう・・・・・兄弟いずれか・・・出来れば兄弟とも広瀬本流育ちの西洋毛鉤釣り師に育てること。
それが釣りバカ親父の密かな願い。。。。。いつかは。

 
 遅れてしまった子供の日に。
良い釣り旅を。。。


 


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2009/04/07

親子鷹 ~ 息子の山女魚

 穏やかな晴天に恵まれた4月最初の日曜日。。。

息子達の春休み最後の日曜日は、間もなく始まる新学期に向けて準備が必要な学用品の買い物を午前中の早い時間から。。。
何せ、、、カミさんは大阪・岸和田で入院中だし、、、息子の衣類、学用品なんて買い物に慣れない親父のやる事だから・・・あ~でもない、こ~でもない・・・息子2人とドタバタしながら売り場を行ったり来たり。。。ウロウロ。。。

 やっと、、、あわただしい買い物から帰宅し、一通りの準備を整え、昼メシを食べ終えたら、、、さて。。。

既に・・・TVゲームへ夢中になっているインドア派な上の息子はさておき、、、
暇を持て余す様子の下の息子に・・・「どうだ? 天気も良いし、ちょいと山女魚釣りでも行くか?」と声掛けすると、、、
『うん!行きたい!』と久々にヤル気の篭った反応。。。

 そうかそうか・・・やっとヤル気になってくれたか!

内心の嬉しさを隠しながら。。。親父は「寒い川辺を随分歩くから支度はしっかりナ!」なんて云いながら・・・仕方ね~ナという素振りで誤魔化して、、、そそくさと釣り支度。。。


 
Dsc027332 息子にとって、初めての山女魚釣りは・・・・・釣りの基本となる水生昆虫を生餌とした「餌釣り」・・・・・を経験させ、夢中になって楽しく学びながら釣りを覚えてくれればと、、、まずは釣具屋へ直行して、セール品のカーボン製振り出し万能竿(3.6m)、ウキ各種、ウキ留ゴム管、仕掛け巻き、釣り針、カミツブシ、釣り糸、プラスチック製の道具収納ケース、、を仕込みに。

 小学生の頃、自分の道具箱に在った餌釣りに必要な仕掛けはこれで全て揃ったかナ?
釣キチ小僧だった自分の古い記憶を辿りながら、、、

午前中の買い物に引き続いて・・・・・あ~でもない、こ~でもない・・・下の息子と2人で釣具売り場を行ったり来たり。。。ウロウロ。。。


 購入したこれらの餌釣り道具を自分が25年ほど前に愛用していた「米国・ストリームデザイン社製」クラシックベストに仕舞い込んで息子に着せてみると、、、
馬子にも衣装、、、それでも、なんとなく釣り人然としたトコは・・・古ベストのお陰かも。。。


 目の前に揃えられて行く道具一式に、、、興奮した様子の息子が「オトーサン、早く川へ行こうよ!」と。

まあ、待て待て、慌てなさんナ・・・・・山女魚釣りにはこれぐらいからの出発時間が良いのだゾ・・・・・息子よ。。。。。

心は釣キチ小僧なまま、、、幾多の季節を経て少々老獪になった親父はゆっくりと川辺に向かってクルマを走らせて行く。

 今夕、、、息子が山女魚を狙う川まで。。。


Dsc027372 午後3時過ぎ川辺へ到着。

幾分強い川風に吹かれながら、枯葦の川原に息子と2人、竿を伸ばし仕掛け作りを丁寧に進めてゆく。。。

 道糸0.5、ハリス0.4をトリプルサージャントノットで結束し、極小の紡錘形タマウキに米粒大のカミツブシをセットして仕掛けの準備は完了。。。これでよしと。


 続く川虫捕りでは、、、中国料理「楓林」(仙台市太白区・JR長町駅前)のご主人S氏から戴いた鮎ダモが大活躍!  素晴らしい働きでアッ!と云う間にクロカワムシをザクザクと大小取り混ぜ多数捕獲。。。。。

 思わず・・・息子が川虫捕りに夢中になったくらいの面白さ。。。
鮎ダモで掬う度に、アレコレ色んな水生昆虫が入り込んでいて・・・いや~、、、こっちも楽し過ぎる!と親父まで夢中に。。。 
 

 西洋毛鉤釣りで幾多の季節を経て少々老獪になったハズの親父まで・・・・・釣り竿を担いで自転車をかっ飛ばしてた小学生の釣キチ小僧へと戻って行った瞬間。。。。。


Dsc027342 この夕暮れ、、、、、右手が痺れるくらい夢中になって仕掛けの振込み方のコツを掴み始めた息子は、、、口うるさい親父が横に立って指し示す流れに上手く仕掛けが入るようになると・・・・・

 深瀬の中から、、、プールのヒラキから、、、そして早瀬の中ほどにある石のタルミから、、、たて続けに3つの良いサイズの美しい山女魚を掛けて「オトーサン、、、クロカワムシはデカイより小さいヤツの方が一発で綺麗にアタリ出るよね?」とスルドイ一言・・・・・。

 初めての山女魚を掴みながら、興奮した表情で夢中で竿を振り続ける息子。。。


 そう、、、川辺に立ち、そこで経験し感じて、さらに夢中になって学びながら自らが楽しい釣りを覚えてくれれば良いんだヨ。。。

今夕の一魚一釣が全て君の記憶になってゆくんだ・・・・・我が息子よ。

『子はおそらく生涯今日を忘れないであろう。 子は成長して言葉やアルコールで心身をよごし、無数の場所で無数の声を聞きつつ緩慢に腐っていくことだろうが、父のこの叫び声だけは後頭部にひろがる朦朧とした薄明かりのなかでいつまでも変形せず解体しないで小さな光輝を発していることであろう。』
 開高 健  著 -フィッシュ・オン- 新潮社   より 一部抜粋


 この春、また息子達と広瀬本流の山女魚釣りを。。。
親父の叫び声を聞かせるために。。。


 春の良い釣り旅を。。。。。


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2006/12/12

北風~原点の大倉・切払

 冬の或る穏やかな早朝、その日は大倉ダムに棲む桜鱒達の活性がすこぶる高かった。

ワイルドでエメラルド・グリーンに染まる美しい砲弾・・・桜鱒を狙い始めた14歳にとって、その美しい魚との出会いに憧れ、そして、、、憧れの魚が狙える厳冬期の大倉ダムという場所は「聖地」でもあった。

 自分の立つ岬の直ぐ目前をワカサギの大きな群れが通過する度に、投げ入れては高速リーリングされる西洋擬似針"ダンサー7g・赤白"に引っ手繰るような強いアタリが連続した。
僅か30分の間に4度の強烈な大型のアタリ。。。ドガンッ!・・・グン・・グン・・・グウーンンンッ、、、、、フッ!?

 しかし、、、酷使され、針先を研がれるコトも無く・・・アマくなってしまったマスタッドの針先は桜鱒達の顎を貫くことは無かった。

 もう一度、今一度、、、、、憧れとの出会いにワクワクしながら14歳は無心に西洋擬似針を夕暮れまで投射し続ける。。。

Dsc01940 
 岸辺の気温は日中でも3℃・・・横殴りに吹雪く船形おろしが薄っぺらなゴム引きのカッパに叩き付け、見る見る内に体温を奪って行く。  昼食を摂る時間も惜しくて。。。あんぱん1つを口に咥えては投射を続けた。  

 鼻水を啜り上げながら、投射を繰り返し、、、そしていつの間にか冬の夕暮れを迎え、、、仙台駅前行きの最終バスに飛び乗っていた。。。

 当時、桜鱒狙いには『擬似針のリーリング・スピードが命・・・』と教わり、、、ありったけの小遣いを握り締め、、、どうしても・・・死ぬ程・・・欲しかったABU社のリール「506」を仙台駅東にあった釣具屋で手に入れ、その滑らかなギアの巻き取り動作にシビレたコトをはっきりと覚えている。

 そう云えば、釣り師でもあった親父にその晩こっぴどく怒られたっけ・・・未だ、稼ぎの無い小僧に舶来品のリールなんぞは贅沢すぎるって・・・。


 43歳になった今、大切に保管してある「ABU-506」に注油しながら巻き取り動作を確かめてみると、カチンッ!と巻き取りピンの動作音に続いて、滑らかな巻き上げギアの操作感。

 ハンドルを廻しながら、、、14歳の自分に戻って行く。。。。。
もう一度、今一度、、、、、憧れとの出会いにワクワクしながら14歳は無心に西洋擬似針を夕暮れまで投射し続ける。。。そんな自分へと。。。

 伝説となった大倉ダム・切払バス停下の岩礁ワンド、、、
そこには原点の自分、、、心から釣り好きな自分が強い北風の中で今でも西洋擬似針を投射し続けている。。。。。

 43歳になった迷い続ける“西洋毛鉤による山女魚釣り師”が14歳のひたむきな"西洋擬似針による桜鱒釣り師"へと帰って行く。
その原点が大倉・切払。  自分にとって変わることのない永遠の聖地。

 ( ブッシュマスターFと大倉ダムOBのみんなへ : どうだい!久しぶりに切払に立ってみないか?)

 釣りへの想いが膨らんで、今夜は穏やかに眠りに付けそうです。
師走は何かと気忙しいですが、皆さんも良い釣り旅を!

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