気になるネタ

2009/03/09

黄昏ライズ

 風の無い穏やかな天候で迎えた昨日のこと、家事雑用を終えて昼食を食べ終わった頃、大阪・岸和田のT病院に入院中のカミさんから電話。。。。。手術後12日目を迎えて未だ痛みの続く体調のこと、執刀主治医の米村先生が休日にも拘らず回診され、病院食を口にすることが許可されたこと、、、など、仙台から遥か離れた遠い土地で一人だけの入院生活における出来事・思いついた事が話題に上り、そして長い遣り取りとなって行く。。。

 まあ、電話口の声の調子と「絶食中にマクドナルドのTV-CMをワンセグで見てたら・・・くぅ~っ。。。食べた~い!と食欲が凄く刺激された。」そして「この病院の食事はとても美味いので・・・早く食べたいナ。」なんて食い気コメントも多数あったから、いつものカミさんの調子が徐々に戻って来たナ、、、と少し安心した次第。。。  
 まだまだ体調が本格回復するまでには今しばらく掛かりそうですが、カミさん本人も大阪で頑張ってるよ!とご心配頂いております皆様へ、取り急いで手術後の近況ご報告を。。。

 そんなカミさんの食い気コメントを聞いて安心したら・・・何故だか?、、、川を見に行こう、、、と思い付いて、久し振りの釣り支度を整え、クルマに飛び乗っていました。


 午後3時直前、、、1年振りに訪れてみた“奇跡の川”Y川そしてM川では、川辺の葭の一斉野焼きに沢山の人出が。。。。。いつもならお彼岸直前の農事も、こんなに気候が暖かだと早まってしまった様子。

  ありゃ~っ、、、この様子じゃあ、、、夕暮れのライズ狙いはダメだナ。。。

  それでは・・・もう一方のM川の様子を見に行こうか?


 目的のM川へと移動する道に交差しては現われる 里川 へ差し掛かる度にクルマを止めて、リバーウォッチング。
う~ん、、、ここもナカナカ。。。


Dsc02695
 午後4時30分過ぎ。  M川辺へやっと到着。
西日を受けてキラキラと乱反射する川面では多くのユスリカが飛び交っていた。

 ま、今シーズン初めての釣りだから、、、のんびり行こう。。。

 確かめるように・・・・・昨シーズン終了後、乾燥させ畳み込んでいたウエーダーを着け、新たなフェルトの張替えが済んでいるウェーディングシューズを履いてみる。。。  う~ん、、、何時も通りの装着感。。。バッチリだ。

 続いて・・・・・「雨」の Hardy Graphite Marvel 7'8"#4 を丁寧に継ぎ、リールシートの Hardy The Prince 5/6 に収めた XPS/DT#4 を引き出す頃には、、、、、再び「西洋毛鉤による山女魚釣り師」の皮膚感覚、そして早春の黄昏時に感じる釣り旅の新鮮な記憶が蘇ってくる。。。。。

 
 西日による川面の照り返しが時間の経過と共に次第に強くなり、、、そして太陽が山影に隠れると、、、、、ユスリカの群飛が一瞬だけ強くなり、山女魚たちの 黄昏ライズリング を誘発した。

Dsc02700  川面を流す ユスリカ・パラティルト#20 に穏やかなディンプル・ライズ。。。

 記憶の通り、、、一拍送り込み、、、ラインを滑らせるように丁寧なセットフック!

   クンッ!   乗った。。。

   黄昏色に染まった水面に白銀色が明滅しながら疾い動きで流れ下って行く。。。
   このローリングは・・・・・山女魚だ。。。


 こうして、、、、、夕焼け色の黄昏が群青色の夕暮れに沈むまで、ユスリカ毛鉤を流し続け、美しい山女魚達と幾つかの出逢いが在りました。


 思いがけず、釣り旅に出掛けたものの・・・・・本人は夢中でライズを追い掛け、寒空の下で川辺をあちこち行き来していたものだから、帰宅後は足・腰の筋肉疲労が。。。。。体力の衰えを痛感!

 今シーズンは解禁より暖かなせいか? 仙台周辺の川辺に春が訪れるのも 2週間は早い ようです。

皆さんのシーズンインの釣り、如何でしたか?
春の良い釣り旅を。。。。。
 

 

 

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/03/30

ライズ招きの水仙 '08

 3月もいよいよ過ぎようかと云うこの週末、仙台上空は冬型の気圧配置による寒気団に覆われ、おまけに本州南岸を東へ移動してくる低気圧の影響で雨~曇り~晴~曇~雨~晴・・・とめまぐるしく移り変わる天候。

 そんな折、強めに降る春雨の中を予定の仕事で峠越えしていたら、3合目から先はフロントガラスを打つ雨が見る見る白いミゾレに代わり、、、冬が戻って来たような山の景色でした。


 明けて、、、朝から春の日差しが眩しい今日は久しぶりに業務予定が入っていない1日中フリーな休日。。。
う~ん、やっぱりココロが弾みますネ。。。何てったって1日が自由に使えるんだから。。。

 さて、、、「ライズ巡礼の川」は何処にしようか?
この寒さが残っているうちは何処の流れでも雪代もさほど気にしなくていい筈だから。。。

そうだ、、、先回の釣りでちょっと心に引っ掛かっていた・・・流れに雪代が入る前の時間帯・・・って、、、もしや。。。


Dsc02438 先回も訪れている目当ての里川に到着したのが午前11時。

 昨春見つけていた 『ライズ招きの水仙』 がこの春も川辺の同じ位置に鮮やかな黄色い花を綻ばせています。

よーーーし、、、また今日も・・・ライズの呼び込みをよろしく!

 先日の春雨の名残なのか? ごく薄く笹ニゴリが入って水位が先回よりも5cm程上がっている川面には今朝ハッチしたばかりのガガンボとコカゲロウが飛び回っていました。

 週末降り続いた春雨が水仙の開花と水棲昆虫の羽化を促していたようです。
うん、、、この様子だと、、、これから。。。

 Review FC-8303改 にDT#3を巻いた HARDY FeatherWeight を組んで、7Xの先糸へ#20のガガンボ・クリップルをフリーノットで結束する頃には ナミヒラタカゲロウ の姿が続々と川面に現れ始めていました。


 時間と共に激しくなっていく羽化の様子。
これを横目に暖かな日差しに照らされた川辺でタバコを一服しながらライズを待ち続けていると。。。


  突然、、、始まった!

  ピシャッ!、、、、、  ピャッ!、、、、、

瀬頭に位置する石裏の緩流に浮上してくるガガンボ・イマージャーに向かってライズを始めた山女魚の姿が。。。

Dsc02441

 これを・・・待っていた!

 左手に押えていた先糸と#20ガガンボ毛鉤を開放して、山女魚に悟られないよう川辺と平行した1往復のフォルスキャストでライズ位置まで10ヤードほどのラインを引き出し、、、そして、ライトカーブ+僅かに上流側へのリーチ、、、投射。

 先程のライズ位置より50cm上手に毛鉤は着水し、、、ドリフト。。。

   水ヨレに先糸が捕まる前に小刻みなパドルメンド。。。  もう一度。。。

 ライズ位置に差し掛かって更にそこから毛鉤が流れ出ようとする刹那。。。
水底から山女魚が姿を見せ、早いパッセージで毛鉤を捉えた!

  ピシャッ!!

 反転して行く山女魚を一拍見送り、、、ラインを滑らせながら穏やかなセットフック。

  グンッ!。。。。。乗った。。。。。

   グン、、、グン、、、キューーウンッ、、、

  重厚感のある山女魚特有のローリングファイト。
   


Dsc02445 薄い笹ニゴリとなった川面下に山女魚の白銀が明滅して Review FC-8303改 が美しく撓り込んで行く。

 ランディングしてみると、どの山女魚もが側線沿いに薄紅を入れて春色を纏い、桜の咲く本格的な春を待ち焦がれているようです。

 この後も時間の経過と共にさらに オオクママダラ そして 極小型のカディス が羽化の顔ぶれに重なり、雪代が本格的に出始めた午後1時30分過ぎまで、、、山女魚達と自分は春の川で熱狂していました。


 春の陽だまりにひっそりと咲いた 『ライズ招きの水仙』 の霊験に、この春もまた助けられました。
お立ち寄りの皆さんにもこの霊験が届きますように。。。

 春の良い釣り旅を。。。 

  

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/10/27

銘無き竹竿~The Bamboo-Rod has no Name

 爽やかな秋晴れとなった朝、稲の刈り入れが終った宮城県北部の田園地帯をクルマは走る。

先ほどから、何処までも続いてゆきそうな曲がりくねった田舎道を背景に、道案内兼ドライバーのW氏と助手席に座る中国料理 楓林・ご主人S氏の和やかな毛鉤釣り談義が続いている。

 秋の柔らかな陽が差し込む川面にはコカゲロウの羽化が続いていることだろう・・・。  川から離れた田園地帯を走るクルマの後部座席に凭れウトウトしながらフト・・・鱒達の作るライズリングの連なる風景を思い返していた。。。

  

Dsc02391_2 田園地帯のどこにでもあるような集落へ差し掛かるとクルマは速度を落として、十字路そして五差路を抜け、、、更に田圃脇の農道を僅かに走り到着。

 大きな作業場と棟続きにある農家・・・そこが 『 Obara Rod 』 の工房だった。。。

クルマを止め、降り立つと、、、秋の陽が庭先に差し込み、そよと優しい秋風の通る静寂が僕らを迎えた。


挨拶もそこそこに近況を交えW氏そしてS氏との毛鉤釣り談義が進んで行くと、、、自分とは初対面のビルダー・小原氏もこれまで構えていた緊張をほくず様だった。。。

  「 この夏中、S氏より借受けて使ってみた Obara Rod 7’6”#4 が自分の釣りの内へ強く印象に残っていて、、、そんな竹竿を作る竿師に会ってみたいと思って・・・。 」 と自分の来意を告げると・・・・・。

  『 正直、自分は人との遣り取りが全く苦手で親しい人間とも話してみると、翌日は寝込むほど疲れるんです。 出来れば、自ら思い描くテーパー・デザインを削り、貼り、塗って組み付け、そして投げる・・・そんな理想とするアクションを目指す製作作業に自らを集中していたい・・・と願っています。 恐らく、3回生まれ変わるほど時間を費やしても、理想とする調子まで届かないと思いますが・・・・・。 』 と小原は穏やかに話し始めた。

 朴訥に語り進む話から小原が目指しているのは<道具として使い手に究極の扱い易さと楽しさをもたらす釣り竿>と伺えた。。。

  『 使ってもらった 無銘の7’6”#4 は自分がこれまで工夫した製作ノウハウを注ぎ込んだプロトタイプでコンパウンド・テーパーによる実戦的な調子の竹竿となっています。 一般的なカーボンロッドを使い慣れた釣り人には癖在る竿・・・振り易くは無い・・・に意図して仕上げてますが、毛鉤釣りで20シーズン以上数多くの現場経験を持つ方なら、この調子による必然性を理解頂けると考えていました。 しかし、そんな製作者の考えは、本来使用して頂きたいベテランの皆さんまで届いていないのが、、、現実です。  無駄な虚飾など一つも無い外見から・・・どうせつまらん竹竿だろう。。。と。  そんな事情もあって、この竿を35年来の毛鉤釣り師であるSさんへお譲りした訳です・・・ 』 とも。。。 

  
 Dsc02394
 「 実は、、、使ってみた自分も、このプロトタイプ 7’6”#4 をこれまで使用していた Hardy Graphite-Marvel の代わりの竿にと考えていて・・・仮に全く同じ調子と仕様で、僅かにグリップとリールシートを変更して作って欲しい・・・との依頼を受けてくれますか? 」、、、、、恐る恐る聞いて見ると、、、、、

 小原はやっと我が意を得たと・・・微笑んでみせ 『 では、工房に用意してある全ての素材と製作工程を説明しましょう。 それで納得頂ければ喜んで製作を引き受けましょう。 』。。。。。と


 線径の極々細い自製のガイド製作工程と2タイプあるメッキ処理について、、、始まり

 金属フェルールの素材選択と旋盤加工とメッキ処理~仕上げについて、、、

 リールシートの金属加工と銘木の選別~切り出し加工~3年に渡る乾燥処理~更に1年に渡る塗装仕上げについて、、、

 竹の選別、、、荒削り、、、仕上削り、、、(ホロー方法については秘密だそう)、、、貼り合せ、、、塗装工程、、、仕上げ、、、ラッピング糸の自家染についてまで、、、

 
 小原は休む事無く、熱の籠もった声で立ち寄り先のブース毎の説明を続けて行く。。。
澱み無く語られて行く竹竿の製作工程。。。それはまるで実際の製作作業を見ているように正確で緻密だった。。。

 本来、[ 部外者立ち入り禁止 ]である製作作業の各ブースに招かれて入った時の驚き!
割ったばかりの竹、、、そしてミリングマシーンと竹の切削クズの跡、、、仕上用の測定機材、、、バインディングが済み乾燥へと移る素材が待ち構えて。。。

そして、塗装ブースに何気なく置かれていた製作のキモとなるホロー用の何らかの機材。。。については口外無用と念押しが!  きっと、素人だからと・・・見せてくれたのだろう。。。

 仕上げのブースを除く製作工程を廻り終る頃には秋の陽も急速に西へ傾いており、ここで、やっと、、、昼食抜きで説明に聞き入っていたことに気付いたのでした。


 どうやら・・・自らの欲する釣竿へ賭ける情熱には、作り手そして使い手に食う事を忘れさせる程の得体の知れない魅力が備わっているようです。


 程なく、小原氏の工房を辞して帰り足に着いた車中では、穏やかな秋の夕日に照らされ無言の3人となっていました。  きっと、、、別れ際に 12万円・納期3ヶ月 と聞いた竹竿の製作条件をそれぞれがどうやり繰りしてみようか?と考え込んでいたのでしょう。。。

 いや、、、既に竹竿を片手に川辺で遊ぶ自らの姿を思い浮かべていたのかもしれません。

Dsc02373 秋空に写り込む大鱒とファイト中のS氏の勇姿とロードしている 『オバラ製竹竿』 の美しいベンディング・カーブ。。。遠く見えている奥羽の山並みでは今夕もコカゲロウが舞っているだろう。。。静まり返った川面を想い返していました。


 無銘の竹竿に込められた作り手の情熱は、新たな釣り心を呼び起こしてきたようです。
一本・・・行くか?!


 10月の良い釣り旅を。。。

 


 ■ Obara Rod
    TEL: 0229-45-2673
 

 

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/03/08

晩冬の夕暮れゲーム

 昨夕のコト、、、今にも雪が舞い降りそうな空模様の下、寒さに震えながら外出先より戻り、すぐさまデスクに向かって今週末に掛かる急ぎの業務スケジュールを調整していると、、、

プルルル、、、『あ~Nobさん? 今、電話してて大丈夫?  今ネ、釣り帰りに例の温泉から上がって○○川を通りかかったもんだから、橋の上から川を覗いて見たらさ・・・ライズしてるの・・・見付けてしまったんだヨ。。。プールにサ! それで、これから遣って見るつもりなんだけど、結果をお楽しみに!』、、、と 中華-楓林・S氏 から緊急の現場中継予告が・・・。

 そうか、、、そう云えば今日は水曜日で中華-楓林の定休日だったんだ。
S氏も好きだよナ。。。こんな極寒・雪降りの日に。。。あそこらの川辺じゃ標高も高いから北風ピューピューで氷点下じゃないの??

 うう・・・っ、想像しただけでも、、、悪寒が。。。
それにしても早いトコ、、、作業済ませてしまわないと・・・。

5分後、再び、、、プルルル、、、『ちくしょ~、くやしぃ~、、、ヒラキ側でミッジに5回出たんだけど、全部スッポ抜け! 大きいのが一発目に出てキテ・・・もうメロメロ。。。 ナニか?良い作戦は無い? えっ・・・パラティルトの極小サイズ? あ~、アッタ! ウン、これでやってみっから・・・。』

 電話の先のS氏は氷点下の中、川辺で相当アツクなっていたようです。
ああ~っ、それにしても早いトコ、、、作業済ませてしまわないと・・・。

またもや、その5分後、三度目の、、、プルルル、、、『ダメ! 流したら一発でデカイのが、ぬう~ッと出てモッコリと咥えたのに、反射的に早アワセしちゃった、、、あ~、、、ちくしょ~、、、今夜は眠れね~カモ。。。
 ゼヒ、、、近日中に・・・俺のカタキは討ってね。  もう、帰るから後はヨロシク。。。  じゃ、またネ。』

 電話を切り、デスク脇の時計を確認すると時刻は午後5時を指しています。
そして、窓から見える風景には既に夕闇が漂い始め、疎らな雪も混じり始めていました。

 
 そうか、、、あの流れの状況なら、S氏が見たというミッジの大量羽化も可能性あるか?
きっと、この寒波で本来出るはずの雪代も抑えられて、山女魚達はライズしてたのかも・・・。

 う~ん、、、後を引き受けて、、、同じ状況で釣りするとしたら、、、寒波が居残る明日中に何とかしないと・・・。
あっ! それには、、、早いトコ、、、遣り掛けの作業済ませてしまわないと・・・。 

 そんな、前日の遣り取りも在ってか? 今日は朝からヤル気モードに一挙突入!
早起きして連絡事項をリレーションして・・・・・、更に取引先には理由不明の午後遅くから不在となる案内をしつつ、急ぎルーティンの業務に精を出し、そして川辺に向かって車を走らせたのが午後3時15分。

Dsc02005_1
 いや~っ、、、それにしても、、、昨日よりも天候が悪いかも。。。
雪雲が行く手に被って来ており、川へと向かう道端には既に薄っすらと雪が積もり始めています。

 午後4時。  S氏のカタキを討ちに・・・昨夕聞いた流れに到着。
川辺の風景は未だ冬の真っ只中。  雪も舞って、ナカナカの風情。

 どれ、、、流れを確認と・・・。

いや~っ、やはり寒いナ。  しかし、、、ウカウカしてると日が暮れちまう。。。
腰上は氷点下、、、腰下は水温3度なんて、、、以前立ち寄った 気仙川のヒカリ釣り を思い出させる タフ・コンディション の下、覚悟を決めてウエーダーを装着。

 ミッドウエイトのフリースのアウターを2枚重ね着して、、、防寒した上にウエーダーを着け、更に雪対策でゴアのウエーディング・ジャケットを羽織って準備完了。

 時計は午後4時15分。

目の前に広がる平瀬を静かに渡渉して、所々に点在する石裏の深みを丁寧に#20のミッジ・パラティルトで探っていくと、対岸瀬尻の石脇から・・・・・パシャリ・・・・・とライズ!

Dsc02003
 一拍送って、静かにラインを滑らせながらのフッキング!!

   トンッ! 乗ったー!

クンクンと HARDY Graphite-Marvel の竿先に生命反応が伝わって来る。

 続いて姿を現したのは、今季初となる 小型の山女魚 だった。
とても幼い姿の山女魚だけれども、記念すべき初・山女魚。  いや~、正直、嬉しい!

この冬景色の中、半信半疑で出掛けて見て、まさか水面絡みの毛鉤で山女魚に出逢えるとは。。。

 まだ、暗くなるまで時間も在るし、、、どんどん行こうヨ。。。と釣り心が誘ってくる。

S氏が苦戦したプールでは、今夕のライズは無かったが、やはりパラティルトを送り込むと・・・同サイズの山女魚がまた。。。

 ひとしきりプールを探った後で、入川点の下流側に見えた深瀬のヒラキも気になり、遠回りしてヤブコギを。
このヤブコギの途中、棗の枝で親指を刺した挙句、急斜面で背面滑りも敢行!?

 右手親指から血を滲ませながら辿り付いた深瀬の石裏からは、8寸級の美しい岩魚が水面を行く極小毛鉤へと全身を現しながら反応して来ました。  いや~、この寒さの中で岩魚まで現れるとは。。。。。

 [ Sさん、、、これで、頼まれた先夕の カタキ は討ったコトになるでしょうか? ]


 夢中で流れの中を行き来する内に、フト気付けば、夕闇に舞う雪が目立って白さを増して来たようです。
冬景色の流れからそろそろ立ち去らないと・・・帰り道が凍り付いてしまうでしょう。

 川から上がり、帰り支度を終えて車を走らせ始めると、、、既に前照灯が必要な暗闇になってました。
西洋毛鉤による山女魚釣り師の記憶にまた一つ、"晩冬の夕暮れ"が納まりました。

 良い釣り旅を。。。
 

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/02/18

河川解禁まで・・・残り10日

Dsc01980_3 昨日、仕事帰りに近所の釣具店で [広瀬名取川漁協 平成19年度遊漁証] の購入手続きを済ませて帰宅してみると [山形県 平成19年度共通遊漁証認証] も早速に書留郵便で届いておりました。

 いや~、山形から届くのは週明けも暫らくしてからか・・・と独り決めしていたものですから、予期せぬ到着に気分が盛り上がってきましたネ。
昨シーズンは山形の河川で釣りする機会は殆ど無かったのですが、毎年、更新の案内が届くと・・・今年こそは元を取るゾ!・・・とばかりに意気込んで継続の申し込みをしていましたが、さて今シーズンはどうなることやら。。。  

 しかし、この春先は東北も暖冬の陽気続きで川辺の春の訪れも例年に無く随分早そうな気配、、、これはもしかすると、、、解禁当初から水面絡みの良い釣り旅を楽しめそうな・・・予感が・・・。


Dsc01978
 そんな期待に膨らむ 予感 を確認すべく、今夕、自宅裏の広瀬本流の下見に出掛けて来ました。

日向の川辺に立つ木々の芽が既に大きく膨らみ始め、早瀬の中に点在する石には、この夕暮れに羽化して来る大型のユスリカとガガンボを捕食しようと待ち受けるセグロセキレイの姿がそこ・ここに見えています。
この流れに続くプールのヒラキでは小型のウグイと山女魚が散発的なライズを・・・。

 つい先日の下見では見られなかった 春 を予感させる生命感の溢れる流れの光景に思わず腰を下ろし、黄昏が訪れるまでの一時を川風に吹かれながら過ごしました。

 自分の中で沈殿していた釣り心が遂に重い腰を挙げ、美しい流れを舞台とする新たな「西洋毛鉤による山女魚釣り師」の物語が動き出したようです。

 フェルトソールの張替え作業は明日、、、毛鉤糸の巻き替えとクリーニングは明後日、、、不足する毛鉤は毎晩少しずつ、、、、、そして、待ちに待った解禁日を迎えようと思います。

 皆さんも良い釣り旅(の準備)を。。。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/02/06

宮沢 昭 / 山女魚

 ここ数日、シベリア寒気団の移動に伴い、仙台もやっと冬らしい天候となっておりました。

久しぶりとなった雪降りの後は、強い北風が吹き荒れ東北新幹線が一時は全区間で止まったり、、、まあ、何事も適度な加減で・・・とお願いしたいトコですが、お天気ばかりはどうにもなりませんね。。。

 そんな北風の強かった先日、仕事の合間、業務用の情報収集ついでにJAZZ系音楽雑誌の新譜レビューへ目を通していると・・・

  『 えっ! まさか!、、、本当に?! 』 と我が目を疑う、そして、本当に嬉しい記事が・・・


Photo_1■ 宮沢 昭 / 山女魚
   2007年 3月 8日  デジタル・リマスター による復刻発売予定
■メンバー:宮沢昭(ts) 佐藤允彦(p) 原田政長(b) 猪俣猛(ds) ※⑤~⑦仲野彰(tp) 東本安博(tb) 松本光彦(tb) 青木武(btb) 渡辺貞夫(as) 宮沢昭(ts) 原田忠幸(bs,cl) 佐藤允彦(p) 原田政長(b) 原田寛治(ds) 
■曲目:①山女魚 ②メモリーズ・スルー・シック ③フライ・キャスティング ④ライク・サムワン・イン・ラヴ ⑤アウト・オブ・ノーホエア ⑥香わしきたそがれ ⑦ライク・ソニー
■監修:塙 耕記 
■解説:原田和典
■録音月日:1962年5月7,14日
■原盤:キング(SKJ-1001)
■デジタル・リマスター

□ VENTO AZUL RECORDS http://ventoazul.shop-pro.jp の商品解説ページより一部抜粋しました。 


 自分の懐かしさと思い出の入り混じったJAZZの名盤が遂に復刻されるという記事を偶然にも発見して、、、暫らくは思考が止まってましたね。

走馬灯のように、、、高校1年生当時の夏休み、このアルバムを探して仙台に数あるレコード店を訪ね歩いた記憶と最後にたどり着いた“大一楽器”の店頭で発見した時の喜びが、、、止め処無く思い出されて来て・・・仕舞いには目頭が熱くなりました。

 実は、、、この 『 宮沢 昭 / 山女魚 』アナログ盤 を未だ保管している次第。
アナログ盤を引越しの折に随分処分してしまったのですが、この作品だけは・・・と。 何故か?ジャケットに写る釣り姿の宮沢さんが「手放すナ!」と訴えて来るように感じて・・・。

 ちょいと自慢は・・・帯付きでレコード針を置いたのが3度のみ・・・というコト。
学校から帰ると、テープに落とした『山女魚』を自分のカセットデッキで擦り切れるまで聞いていたっけ。
3曲目の「フライ・キャスティング」なんてとても軽快なスウィングでえらくカッコイイ曲ですゼ!!

 しかし、当時は傍に居る大人達からこんな自分を見れば・・・本当に小生意気な高校一年・・・だったのかも。

そんな訳で、、、この『山女魚』アナログ盤がJAZZ音楽への興味の入口となった自分としては非常に胸を熱くしておりました。

 全ての 山女魚釣り師 と 西洋毛鉤釣り師 は必聴のJAZZ名盤 『 宮沢 昭 / 山女魚 』
タイトル・チューン「山女魚」を聴いて解禁を迎えれば、今シーズンも良い釣り旅は間違い無し!! ・・・かも。


| | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/07/21

28年目のHARDY邂逅

 本日の仙台の最高気温・・・19℃  霧もかかって小雨模様。
低温・多湿のオホーツク高気圧から“山背風”が東北の太平洋側に吹き込んで、、、既に7月も半ばを過ぎて「夏休み」モードに入ったと云うのに、、、梅雨寒の日になっていました。

 こう寒いと半袖シャツの軽装では日中でも辛いので、長袖のシャツを箪笥から引っ張り出し着込んでました。

 先回の釣りからここ一週間というもの、仙台は毎日が雨降りか曇りで広瀬川も大きく水位が上がったきり・・・。
ニュースでは山陰から中部・北陸にかけての梅雨前線による大雨被害の様子を連日取り上げています。 
 全国的に川釣りどころでは無い・・・大変な天候が続いているようですね。

 まあ、こんな川の状況では今のうちに仕事に集中しないと・・・と事務所のパソコンに向かえば向かったで、資料収集ついでに某ネット・オークションのタックル出品コーナーへ"覗き"に立ち寄ってしまい、なんとも気が散るコト!
梅雨前線の影響は・・・こんな個人的なところにも出て来ているようです。

 雨に降り込められた先日、そんな流れで、また某ネット・オークションを冷やかしに立ち寄ったところ・・・・・『HARDY グラスロッド 7' #4』という表示のオークション出品を発見!

 へぇ~、、、どれどれ・・・クリックしてと、、、、、ぐおっ! おお~っ!

Dsc01714
 これは・・・・・あのHARDY製フェノール・グラスの伝説となった、、、、、銘竿「JET」。
自分も 7'6"#5 を所有して使い込んでいるから、出品画像の詳細部分を見てまず間違いない!と・・・。

 入札状況は・・・・・。  3人が・・・。
出品者は「購入後3回程度使用したまま倉庫保管。 この竿については詳しい方がおられると思います。」とのコメントを。。。

 くう~っ、「JET」の殆どミントコンディションの竿がここに来てまさか出るとは・・・・・。
恐るべし、HARDYファンのコレクション欲。。。。。

 しかし、自分もこの竿を手にして、現場において使ってみたい。。。と閃いてしまった。

恐らく、愛竿 Graphite Marvell 7'8" #4 のさらに8"ショートなロッドの出番は数多く有りそうだし・・・。
 そうだろ、、、、、釣り敵・ブッシュマスターFよ!  君が好きな、、、あの藪だらけで尺山女魚がウヨウヨ棲むという川だと・・・この竿も使いでがありそうだよナ。

 ここ10年以上も新規の毛鉤竿は、普段のメインが破損した際のピンチヒッターとして、、、なんて、どうしても必要になった場合に、それも修理等のアフターフォローが長年に渡って確実な国産メーカーの竿ばかりを選んで来たから、まさか、ここに来て今更、アンティークな「JET」を欲しいと思う自分が居るとは。。。

 もう一人の自分が隣に座り、、、あのトルクフルな振り心地とラインが竿に乗ってくる感触、、、「JET」特有だよナ。  それから、魚を掛けてから往なせる感触って他に無いゼ!あんなタッチのグラス竿は。。。もう手に入らないかもナ。。。と囁き掛けてくる。

 結局、、、それから2昼夜ばかりを悩み抜いた挙句、、、生涯で初めてネット入札し、「JET」を落札。
Dsc01716

 届いた竿は紛れも無く・・・良いコンディションの「HARDY J.E.T 7' #4」
本当に嬉しかったですね~。 何せ、自分が西洋毛鉤釣りを始めた28年前には既に新品のJETは無くなっていた訳ですから・・・。  手元のJET#5に#4が追加出来て、長い間の念願が叶いました。

発作的な毛鉤道具のネット落札という雨の中での閃きが・・・・・暴挙になるのか賢明な判断となるのか?
これからまた時間を掛けて、この竿にラインを乗せ現場で振り込むウチに判ってくるでしょうか。

 やはり、梅雨前線の影響は・・・こんな一山女魚釣り師の行動にも現れて来ているようです。

早く、広瀬本流で釣りして~ナ!
雨の後が楽しみです。   皆さんも良い釣り旅を。。。

| | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/03/08

3月の憂鬱

 こんばんは。 Nobです。 
思いも掛けぬ突然の事情で勝手ながら2月始めより約1ヶ月間の休筆期間を戴いておりました。

 度々、当・晴/雨Blogへ“記事更新”の淡い期待を抱きながら立ち寄り下さっていたご関係・未関係の皆様に感謝致します。 
そして、この度の突然の休筆を心よりお詫び致します。

 現状では、今回の記事投稿も“ワン・ポイント”となるのか、はたまた、そうはならないのか・・・この諸々の事情の転がり方次第ではありますが、河川の釣りシーズンが解禁となった今後は、自分の時間の許される限りにおいて、現場より自分の視点で記事を書き続けて行きたい、、、と考えていました。

ひとつ、、、Nobの野郎、また何かヤラカシやがったナ!、、、とでも、皆様には深読み頂ければ幸いです。

 いずれ、、、また、、、近いうちに。

 ユスリカがハッチする春の広瀬川を眺めながら。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/02/04

立春のクリーニング

 本日、立春を迎えましたね。
いよいよ春へと思いきや・・・寒波の到来で仙台も氷点下の夜となっていました。

 そう云えば、先日の管理釣り場で釣りの最中に「あれ〜、フライラインの浮力が落ちて来たナ。 メンテついでにクリーニングしとかないと・・・。」 なんてボヤいてたのを思い出し、急遽、ライン・クリーニングを行うコトに・・・。DSC01501


 やって見ると、、、綺麗そうな見た目とは裏腹に、日頃愛用している3M社のライン・クリーニングパッドへ細かな汚れが多数付着してました。 うわ〜、随分汚れてたんだナ。

水温も0℃近くまで下がるこの季節は、水の粘性にも影響されるのか・・・特に水面上に細かなホコリも多く浮遊しているような気がします。  フライラインがまるで集塵機になっていたような汚れが。
 気合を入れつつ丁寧に、各種クリーナー・ケミカル用品を吹き付けて更にゴシゴシと・・・・・。

 クリーニング後のラインを確認すれば、一皮剥けたお肌ピカピカ、サラサラに・・・。
まあ新品の性能とは行かないまでも、随分とライン表面の状態が戻ったような気がします。

 西洋毛鉤釣り=フライフィッシングって釣り人の目から見れば ロッドやリール に代表される花形のツールに脚光が当るし、話題性も抜群だから何かと注目されるけれども、自分としては・・・・・実はフライラインこそがこの釣りの中で最も重要なツールじゃないのか?・・・・・と常々考えています。

 ツール・メンテナンス、、、特にフライラインのクリーニングって使えば使うだけ汚れてしまい際限が無いものだから、以前は年間50日以上も釣り場に立つ自分としては1シーズン×1本の消化交換があたりまえなんて思っていましたが、現代の一般的なフライラインはケミカルの化身でもある訳ですから、あくまでローインパクト志向で丁寧に出来るだけ使い回して行きたいもんです。

 そんな意味でも、ラインクリーニングって現代の毛鉤釣り人にとって必須のテクなのかもしれませんね。

 未だ、あとリール4台分のクリーニングが待っています。
立春の晩に、、、先のシーズンの釣りシーンを思い返しながらゴシゴシするのも、また楽しい?!ですよ。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/01/23

暦(こよみ)

 こんばんは。 2006年になって初めての記事のUPとなりました。
おいおい、なんだヨ〜。 このところ、、、晴/雨.Blogの更新が無いじゃないの! Nobはどうしたんダ?!
・・・・・とお嘆きだった皆様、大変お待たせいたしました。

 何故か? こうも寒くて、おまけに仕事の方でも気忙しいと釣りにも出掛けられず、釣りに出掛けていないと閃くものも閃いて来ず、、、巡り巡って、記事の更新も出来ない訳で・・・記事ネタにも困っている状況でございました。
何せ、今朝の仙台の最低気温が 氷点下6℃ なんて気候では・・・まともなモノ書きの発想には向きませんやネ。

 ところで、、、最近、年を食ったからか、「暦(こよみ)」 の 二十四節・七十二候 がやけに気になっているのです。 その昔、自分の祖父が「暦の本」などを常々読み聞かせてくれていたからなのか? 先だっての[大寒]なんてキーワードをニュースで聞いたりすると・・・ピピピ・・・と意味も無く耳をそばだてたりして。

 「二十四節気」
 二十四節気は、太陰暦の日付と季節を一致させる為に考案されたもので、明治5年まで使用された太陰太陽暦のひとつ、天保暦もこれを使用していました。現在「旧暦」と呼んでいる暦もこの天保暦の焼き直しですから、「旧暦」の日付を決定するためには、二十四節気が必要です。この二十四節気は、今でも季節感を表す言葉として用いられることがあります(ニュースなどで時々耳にします)。特に、立春・春分・秋分・夏至・冬至などはなじみのある言葉でしょう(春分・秋分は祝日とも関係ある)。

 「大寒 (だいかん)」  1/20頃
十二月中 (師走:しわす)
太陽視黄経 300 度
冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也(暦便覧)
一年で一番寒さの厳しい頃 。
  逆の見方をすれば、これからは暖かくなると言うことである。春はもう目前である。
 
    ■ こよみのページ http://koyomi.vis.ne.jp/ より一部抜粋させていただきました。

 いや〜、やはりしみじみと・・・日本の暦って良いナ〜と思う。

FlyFishingって釣りは、数ある魚釣りの中でもその中の日常会話で横文字・カタカナ文字がやけに使われるから、結構意識せずにふだん自分も使っているんだけれども、邦訳してみれば何の事は無い、ただの先糸の事だったりしてね。 その辺が、モダーンな釣りっぽい雰囲気を醸し出してはいるのだが、、、何だか余計なトコで疲れてしまうナ〜と感じてみたり。

 うちの祖父が愛読していた[農事暦]には、現代の毛鉤釣り人が読んでも大変興味深いであろう 季節の進行 が記載されており、これがその昔から続いてきた野良仕事の指針だったことを思えば、釣りに行くこともまた日本の野良仕事風に決めたいと、今年の毛鉤釣りにおける行動指針を感じている次第。

 只今、大寒から立春へと向って季節は進行中。
実は日本における ローインパクト とか エコロジー って、古の昔人達はすでに実践してたんじゃないかと[農事暦]を読んで感じています。

 これからの日本における西洋毛鉤釣り人の座右の書は[農事暦]でキマリかもね?!

| | | コメント (0) | トラックバック (0)