Twin Bridges からの帰還
9月のシルバー・ウイークも近づき、、、いよいよ山女魚釣りのシーズン・ラストに向かって釣り心も加速して行くようです。
冒頭 … いきなりですが、、、アメリカ合衆国 モンタナ州 ツイン・ブリッジズ 、、、とその地名を聞いて… ピン ! ときた方はどれだけいらっしゃるのだろう??
自分がこのところ… 概ね10シーズン以上の間 、、、山女魚釣りと鱒釣りの為に川辺で手にしているのが、、、この合衆国モンタナ州はビーバーヘッド川の畔 ツイン・ブリッジズ という町に工房を構える 「R.L.Winston Rod Company」 の製造による シリーズ名 "DL-4"(デリケート・ライト・フォー) という毛鉤竿 。。。
それまで、自分が山女魚釣りの際に愛用していた 『 Hardy Graphite Marvell 7'8"#4 』 が体現していた …繊細ながら腰(バックボーン)の残った調子… を 7X の細い先糸使用時 でも同様にこなせる竿… をと国内外のメーカー製の毛鉤竿をアチコチ探し回り、、、最後に行き当たったのが "DL-4 8' #3 "だった。。。
その後、、、7' 6" #3 、、、8' #4、、、さらにもう一本 8' #4 、、、と追加して散財を続け、 現在は以上の "DL-4"シリーズ の 4本の毛鉤竿 で山女魚釣り・鱒釣りのシーズンを送る日々。。。
4本いずれも… 実際に使う毛鉤竿として数知れずの現場経験を経ているから、小傷、スリ傷、、リール・シートはフット痕が残り、、、コルク・グリップは魚のヌルと手汗まみれ。。。
ま、、、ずうーっと床の間の飾りやタンスのコヤシになっちまい、、、デケ~山女魚や巨鱒の強烈なローリングを知らず…で寝かされたままじゃ、、、DL-4 そして Winston が泣くってモンでス。。。
以前、2008年7月の記事: 「夏雲 と Marvel」 では自ら… 『 興味ある竿・・・ Winston WT-804・TMF 、Tom・Morgan Rod-Smith なんて指折り始めればキリが無くなりそうだけれど、なにせ竿を握る右手は一本だから。。。自分の掌に納まった瞬間から釣り心に同調してくる毛鉤竿を探し出すとなると・・・なかなか一朝一夕にはいかないのだと感じています。 』 … そんな風に書き留めていましたが、、、この"DL-4"シリーズの4本がそんな"釣り心に沿う毛鉤竿"である様、、、余計な「浮気心」がまたぞろ起きない様… 自ら祈っているトコでした。(笑)
それは… 40シーズン近くの時間、西洋毛鉤竿を川辺で振り回してキテ … 正直なトコ、毎度、新たに変った毛鉤竿のシステムに合わせたリーダー・フォーミュラ ( 先糸を含む テーパー・リーダー 構造の見直し ) そして 自分にとって心地良い投射スタイル を竿を変える度にいちいちアジャストして行く作業 が面倒になってきた、、、という 老境となった自らの変化 も含まれてイテ (笑)。。。
恐らく、、、"毛鉤を投射動作した際の瞬間的な筋力・反射 (フィジカル) "が最も優れていた20代前半の自分からすると、、、現在では、その数値は半分以下になってるのでは… 釣り場でそんなことを痛感する場面が多くなり。。。
まぁ、先の記事中に書き記していた"古女房"の管理人理論 (?) 『 永く乗ってるクルマって "付合い永くなった古女房" のような・・・( 註 : 自分の場合、古女房は今は亡いが )・・・ 乗り手とクルマの関係が、それぞれ良いトコも悪いトコも共に同時進行で"枯れて"行くから、、、 離婚 ( 売却 ) の危機を乗り越えて、、、関係修復 ( 修理 ) を繰り返しているウチ、、、キズ・錆の一つや二つは許し合って、本当に離れ難く ( 手放し辛く ) なっちまうんだナ。 』 は、クルマ のみならず 毛鉤竿 … にも該当するワケです。 (笑)
■ メーカー、販売店、業界各位にとって、、、コレはコレで"問題発言"に当たるのだろう… と秘かに想像するが、、、モデルチェンジの無いもしくは限りなく少ない … 長期間付き合える道具としての在り方を … ユーザー・サイドに立った提案をしてくだされば、、、自分は嬉しいと。。。
釣り竿を手に、水辺へ立つのは、知的武装など纏わない"丸裸の感性を持った人間" ( ヒューマン ) なのだから・・・。
( ※ その後、記事中に興味ある毛鉤竿と書いた WT804・TMF は奇妙な縁の末、自分の手元に至っており、、、 この "DL-4" シリーズ は、、、メーカーでの製造・取扱いが終了して10年近くの時を経て、、、まことに残念な事に、、、新品での入手は難しい毛鉤竿となっている。。。 )
今回、、、冒頭で R.L.Winston と DL-4 シリーズ を紹介したのには、、、ワケがあり。。。
実は、昨秋 9月 、、、秋田・Y川における雨降る夕暮れの釣りで、、、自分のミスにより "DL-4 8' #3 " を破損させてしまっていたのだ。。。
良い山女魚に出会えた… 雨の降る夕暮れの釣り帰りの事。。。 暗がりの中を膝上の強い流れに渡渉中、、、川底の岩盤のヌルで片足を滑らせ転倒する間際、、、咄嗟に 竿だけは ・・・と無理な姿勢のまま岸辺へと放り投げたつもりだったが、、、これが届かず、、、大石に水の渦巻く強い流れに飲み込まれてしまい。。。
その後、、、ズブ濡れ姿のまま・・・懐中電灯片手に・・・水を滴らせながら、、、流れに飲まれた "DL-4 8' #3 " + Lamson LS1.5 を流れに探し回る事、、、1時間。。。
『 くう~っ、、、ミスった、、、何処まで流された ??? くそっ! そんなに遠くまで流れていないハズだが・・・。
しかし、、、あの体勢で竿を握ったままだったらモロに折れちまってたか。。。
う~む、、、転倒した位置から考えられる流れを丹念に5往復は捜索したが…
いったい何処へ??? こいつはヤバいかも??? 』
後悔交じりの暗がり中の捜索が、、、やっと・・・実を結んだのは・・・それから30分後。。。
転倒地点の15m程下手にある強い流れに洗われる大岩の間から、、、僅かに見える竿先を発見出来て、、、ホッとしたのも束の間。
回収とばかりに闇の中を腰上まで水に入って引き揚げてみると・・・ 4本継ぎの3rdセクションが中央から メキッ! とくの字に折れ曲がっていて。。。
嗚呼。。。 "DL-4 8' #3 "よ… 俺の手元に戻ってくれて本当に嬉しいんだが、、、これではこれからの釣りが。。。
こんな経緯で、、、愛用していた "DL-4 8' #3 " は アメリカ合衆国 モンタナ州 ツイン・ブリッジズ まで修理の為にメーカー送還となっていた次第。。。
雨続きだった8月の終わり。。。 待ち続けていた… 修理の成った"DL-4 8' #3 "の仙台到着。
メーカー : R.L.Winston Rod Company のツイン・ブリッジズ工房で新調された 3rdセクション のブランクを確認し、、、スピゴット・ジョイントの擦り合わせを診る為に継いでみる。。。
うん、、、 見事なくらいにピタリ! と収まりが決まっている。。。 流石だ !!
調子はどうだ?? 生産終了して随分と時間を経ているから、、、該当のセクション・ブランクを新たに焼いていたはずで、、、それが約1年の待ち時間の理由となったように想像しているが。。。 本当のトコはどうだろう?
うん、、、 これも大丈夫なようだ。。。 新たな 3rdセクション の調子が他のセクションに比べると"張りが強い"が現場で使い込む内に全体で馴染んでくるだろうか?
ブランクの肉厚、、、色具合、、、そしてジョイント・ナンバーの書体すらも、、、生産当時の記録を基に再現してくれたようだ。。。
うん?、、、記憶にある 別のブランク傷 もパフ掛けしたのか? 綺麗にリペイントして、リフィニッシュしてくれてたようだ・・・ホント有難いナ ! 却って、、、グリップの汗シミはそのままにしてあるのも・・・釣り人の使い勝手を分かってる証拠だね。。。
こんな数々の、、、釣り心に響いてくる R.L.Winston Rod Company のカスタマー・サービスって、、、もっと、、、この竿でガンガン魚を釣りまくれってコトだろうか。。。
OKだ。。。 そいつは勿論 !!! 後は… 日本国 宮城県 仙台 の山女魚釣り師が引き受けた !!!
9月の夕暮れ。。。
日没時刻を迎える頃、、、群青色の夕闇は突然のように川面へと降りてくる。。。
大型のカワゲラが川面を掠める様にして飛び去り、、、群飛する小型のトビケラは白泡の上で舞い続けている。。。
帰還した R.L.Winston DL-4 8' #3 を手にする山女魚釣り師が夕闇の中を川辺に一人。。。
山女魚の浮上斑紋が続く川面に、、、秋を告げる冷たい川風が吹き抜けて行った。。。
また、何処かの川辺から。 秋の良い釣り旅を。。。
● 追伸 ●
今回の記事が、晴/雨.Blogの節目となる 300話目 を数えるようです。
2006年の.Blog開設以来、不定期更新の毎度お付き合い下さる関係者の皆さま、そして未だお会い出来ない毛鉤釣り仲間の皆さんに心からの感謝を。。。
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コメント
はじめまして。フライフィッシングブログのネットサーフィンしながら読ませていただいております。
今回はロッドに対する愛情がこもっている文章と経過に、つい書き込みしてしまいました。
わたくしもロッドに浮気しつつ、ウィンストンも購入に至りました。LT-5 #2 7ft9incです。
昭和50年代の初めころにフェンウィックFF856-5を購入したころは、バックパッキングの憧れから購入したものでした。
出番は芦ノ湖で釣った程度でしまい込んでいます。このころの憧れはオービスでした。
winstonはリタイアするころに気になっており、お値段に躊躇していたのですが、退職の記念に購入しました。
さすがにコスメティックは素晴らしいです。60lのザックのサイドポケットにぴったりです。バットパワーはあるし、#4ラインものせられます。6ピースがあれば、その後にテンリュウロッド6p #3と#4は購入しなかったのにーーです。30lザックサイドにはやや長いです。
ロッドを川に放り投げて回収された経緯は全く同じことをしたので身に沁みます。違うのはルアーロッドと未回収だった事です。
当時、月給の半分もしたのでショックでしたが、カージナル3は故障中で無事だったのが救いでした。
scottのS3-7ft6inc #2のティップを折った際は修理で1年かかりましたし、FF856-5も修理は1年でした。
熱のこもったレポートは車にしろ、アウトドアにしろ、ましてFFとなれば身が入ります。
今後とも、拝見していきますので、よろしくお願いします。
FFとRRとウィスキーをとても愛してたのですが、リタイアの身になり妻よりRRとウィスキーは経済封鎖を味わっております。
RRとはもちろんフライングレディの車ではありません。もう一つの英車ですが、永眠中でガレージに・・・。
ウィスキーも「鍵のある-アイリッシュ」と「鍵のないスコッチ」も滅多にはいただけません。
投稿: FFfreak | 2017/09/15 10:15