往く夏の川風 2016
お盆の最終日・8/16は、、、J3・ブラウブリッツ秋田 U-18 に所属する次男の通う 秋田県立高校 で"保護者面談"のスケジュールが入っており、、、面談の時刻に合わせた早朝の仙台発で、、、愛車・BJFWは夏の日差しが照り返す東北道を北へと向かっていた。
あいにく・・・当日はお盆期間の頭に発生して日本へと近づいていた 台風7号 が関東沖の太平洋を北上中・・・車載ラジオから流れる天気予報では、、、東北の北部でもこの午後遅くから天候が大きく崩れると報じている。
また、、、雨になっちまうのか。。。
秋田でも、このところ雨の無い夏の日が続いており、、、渇水した渓での 山女魚釣り には厳しい状況だと聞いているが、、、果たしてこれからの天候急変がどう転ぶか?。。。
先に亡くなった 山女魚釣りの名手 でもあった岳父供養の釣りのため、、、用意した毛鉤支度を乗せた愛車のハンドルを握りながら、、、次男の学校生活のコトから・・・秋田の渓 「馬場目川」の風景・・・そして秋田の天候を、、、それぞれ想っている。。。
午前11時に始まった 担任の先生との保護者面談 では、次男がトレーニングと並行して学生生活を存分に楽しんでいる様子をたっぷり伺って無事終了し、、、昼過ぎからは ブラウブリッツ秋田 U-18 のトレーニング場へ駆け付け・・・黒光りするほど日焼けした次男がトレーニングに没頭する様子を見つつ、、、ここの近所にあるチームメンバーも通うというウワサのラーメン店を訪ねて昼飯を。。。
この後、岳父宅に立ち寄り、仏壇に線香を上げお盆の挨拶を済ませると。。。夕方の5時。
既に・・・秋田上空の雲行きは台風の接近に伴って・・・怪しくなって来ている。。。
それでは、、、行こうか。 夕暮れの馬場目川へ。
仏壇から抜け出し・・・いつもの釣り支度した亡き岳父の気配・・・を助手席にひっそり感じて。。。
『 出るのが遅ぐなったナ。。。 』 と少し急いでいる岳父の気配。。。
「 親父さん、、、夕暮れだけの短い釣りですが、、、まぁ、クルマを飛ばしていきますから。 」 と自分の独り言が言い訳をして。。。
秋田市内の岳父宅から、、、かつて岳父に教わっていた馬場目川への「裏農道」をかっ飛ばし、、、40分後には、、、馴染みとなっていた「蛇喰集落」を流れる馬場目川に架かる橋の袂へ。。。
クルマを止め橋上から眺めてみると、、、噂に違わず、雨の少ない夏を迎えていた 馬場目川 は記憶にないほどの渇水状況。。。
夏の夕闇が降り始めた向岸の小高い丘の上には、、、映画 「釣りキチ 三平」の撮影場所となった「三平君の家」がひっそりと佇んでいる。。。
「 親父さん、、、これは酷い渇水でしたネ。 夕暮れに魚が反応してくれれば良いが。。。 」 と独り言の自分が。。。
咥えタバコを吹かした岳父の気配が隣に立ち 『 いや、、、雨っ気の在る・・・この夕暮れの空模様なら岩魚・山女魚も流れに顔を出してくるべ。 さっさと、毛鉤の釣り支度をしたのが良いナ。 』 そんな夕暮れの川風に乗って"彼岸"から聞こえてきた岳父の懐かしい声。。。
「 そうさナ。。。 やってみるか ! でも、、、親父さん・・・あんまし期待しないで下さいね。。。 」
晩夏の陽も傾き、、、気温がみるみる下がり始めると、、、毛鉤釣り支度をするウチに汗ばむ体温を慕って アブ軍団 が纏わり付き始めて。。。
イテッ ! コノ~ッ !! アブのヤロ、、、うるせーナ ! イテッ !!
そんなアブ軍団との攻防。。。
そんな最中・・・ふと、肩越しに聞こえて来た。。。 岳父の声。
『 あの堰、、、上手のヒラキだ。。。 』
そこは、岳父と共によく通った入渓点から数えて、、、すぐのポイントだった。
往く夏の黄昏に、、、湿気交じりの川風が吹き始めた、、、 漬物大の底石が並ぶ流れ。。。
「 親父さん、、、あそで、、、本当に良い山女魚が出たら・・・今晩、塩焼きにして・・・ お供えしますゼ! 」
半信半疑、、、 7Xの先糸へ クリップル・ビートル #19 を結び、、、
渇水したプール・ヒラキに頭を僅かに見せる底石の前へ、、、そっと、、、丁寧に投射すると。。。
なんと・・・ デカイ山女魚が、、、 黄昏の残照を映した、、、 暗緑色に染まり渇水する流れに悠然と現れて、、、
穏やかに流れる クリップル・ビートル を、、、 カポッ、、、と捉えた!
マジで。。。
半信半疑で静かに潜行した山女魚を見送って・・・ 一拍半を送り込み、、、、、
ラインを滑らせながら、、、 穏やかなセットフック!
グゥン・・・ッ! 乗った。。。
黄昏の残照を映した川面の直下に巨きな白銀色がウネリ、、、 そして急速に反転した。。。
山女魚だ。。。 こいつァ・・・デケェ。。。
R.L.Winston DL-4 8' #3 が大きく撓り込んで、、、疾く重厚なローリングでさらに下流へ突進する大型の山女魚へと応酬している。
大山女魚と遣り取りする肩越しに、、、晩夏の黄昏に吹く川風に乗って・・・岳父の声がふたたび聞こえたようです。
『 おおっ! イイ山女魚だナ。。。 いつものように、そっと・・・大事にイケ。。。 』
こうして、、、晩夏の川風に乗ってくる"彼岸"に居る岳父との山女魚釣り旅が、、、この夏もふたたび、、、馬場目川より祝福されたようです。
この夏も、、、そんな傍らを過ぎ行く『 夏の川風 』 、、、に、きわどいタイミングで出逢えました。
この名残の川風が皆さんにも届きますよう。。。
川辺で・・・また。 それまで・・・どうぞ良い釣り旅を。。。
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