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2014/08/31

往く夏の川風 2014 後編 ~8月 川のある土地へ~

 熱暑の続いた8月の半ば、、、帰省帰りのクルマで上り車線が渋滞する東北道・三本木PAの辺り。。。
渋滞を横目に下り車線を北へ向かって、、、毛鉤釣り支度を積み込んだ愛車・BJFWを飛ばしている。

一昨年11月、、、彼岸へと旅立った 山女魚釣りの名手であった岳父 の墓参りを兼ね、、、先に秋田の岳父宅へ滞在していた夏休み中の息子達を迎えに行く算段。

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 少し前、鶴巣PAを過ぎた辺りで弱い雨がフロントガラスにポツポツ・・・と落ち始めていた。

車載音源からは 井上陽水 / 発表40周年記念アルバム 「氷の世界」 リマスター版 が流れ、、、先ほどから交じり始めた優しい雨音は、、、今日の行き足を急かすようだった。。。


  ♪ ねえ君 二人で何処へ 行こうと勝手なんだが
      川のある土地へ 行きたいと 思っていたのさ ・・・ ♪

   ~ 井上 陽水 / アルバム 「氷の世界」 収録曲「春三月散歩道」  より ~


 そう、、、その通り ! ・・・ リアルな山女魚釣り師は 川のある土地 にしか暮らせない・生きられないから。。。
井上陽水の歌に呼応して、、、ハンドルを握りながら激しく同意している自分。   (まったく。。。)


 そんな、歌に誘われたか・・・  はたまた、出発前に受けていた FlyRodders編集長・鈴木君からの「荒雄川C&R区間」取材依頼の電話連絡が呼び水だったか・・・  愛車BJFWは何故か? 小雨降る 古川IC を降り、R47へと合流していく。。。   

 (まったく。。。)  ふたたび助手席の方から、亡くしたカミさんの呆れた・・・ため息交じりのつぶやきを感じたような。。。


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 古川ICからR47を 新庄・鳴子温泉 方向へ進み45分程、ここからR108に入り、大崎市鬼首(おにこうべ)へ向かって30分ほどで 荒雄川 C&R区間 の川辺へ到着。

 低く垂れ込めた雨雲からは、馴染みとなった荒雄の川下に向かって吹く弱い川風に交じって、、、霧雨のようなシトシトといった調子で弱い雨が降り続いている。  

 荒雄川の水も雨降りが続いている影響なのか?  この時期の平水位より15cmほど高く、岸辺に密生する葦林の根元が大きく水没して。。。  流れの四方を囲むような美しい奥羽の山並みがほんの僅かに、、、熱かった夏の濃い緑を見せていた。

 農道脇の駐車スペースに停めたクルマの周りには、ボンネットからの放射熱を慕って早速、、、大型のアブが飛び交い始めている。。。


 「 うん、、、寄り道は2時間だけ。   試して行こうか・・・。 」

 この釣り終わりには、、、さらに秋田までの残り2時間強の長距離ドライブが待っている。。。

雨具に優しく落ちているパサパサ・・・という雨音をBGMに、、、手早く R.L.Winston DL-4 8' #4 のジョイントを継ぎながら、、、この後の移動予定ルートを、、、そして この釣りで出会う魚 を想って。。。


 こんな水位なら、岸際にある葦林のバンク際の深みへと鱒達は避難移動しているだろう。。。  タイトに探ってみるか。。。

 WaterWorks社 Force 2X LT より引き出した 7X の先糸に 手製のNymph Fly 『量産型 マダラ ZAKU』 をフリーノットで結ぶ頃には、川風と雨脚が強くなって。。。


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 増水して流速が増し、分厚くなった荒雄川の流圧に対応していくと・・・・・ 普段の自分の釣りでは考えられないほど、極小インジケーター下のオバセ部分の7X先糸は極端に長くなり、、、さらに丁寧な 投射 + ドリフト が要求された難しい釣りでしたが、、、 深瀬底石の影、葦際のバンクの底波に定位していたいくつかの鱒が微かな魚信と共に反応してくれました。

 「 さあて、、、名残は本当に惜しいが・・・・・ 後ろ髪も強く惹かれるが・・・・・  秋田までもうひとっ走りだ。。。 」

 川辺から駆け上がり、、、撥水タイツ + 8部丈渓流遡行ハーフパンツ な真夏用の釣りいでたちのまま、、、脇目を振らずにクルマへ飛び乗り、、、夕暮れのプライムタイム目前の荒雄川C&R区間を後にしていました。 

 夏休み、、、2時間だけの気ままな寄り道・試しの小さな釣り旅は・・・・・ 「川のある土地」 荒雄川より祝福されたようです。


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 昨夕の釣り終わりから・・・ 秋田の岳父宅への長距離ドライブで、、、前夜遅めの到着となった翌朝。。。

午前3時45分に掛けた携帯目覚ましの静かな振動で目覚めて。。。

 「 よし、、、 すっきりと起きれたし、、、 行くか。。。 」

昨夕の荒雄川の湿り気が残った 撥水タイツ + 8部丈渓流遡行ハーフパンツ な真夏用の釣りいでたちを再び身に付け、、、 静かに岳父宅の玄関カギを開けようとしていると、、、背後に気配。。。

 振り向けば、、、 亡きカミさんが愛犬・・・その後、飼育を引き継いでくれた岳父の愛犬になった・・・が尻尾を振りながら自分の見送りに。。。

 「 おお! そうだったナ。。。  あれから、、、親父さんが早朝、山女魚釣りに出る時もお前は見送りしてくれてたか・・・。  いつも、ありがとナ。 」  

 頭をなでながら、話しかけていると 『 気を付けてネ。。。 』  そんなカミさんの懐かしい声が聞こえたような。。。


 一昨年初冬、岳父が旅立って以来、、、 川風に乗って彼岸から聞こえて来る岳父の懐かしい声と共に静かな山女魚釣りの旅を続けて。。。  
お盆の頃、岳父の釣り供養に 馬場目川での山女魚釣り をするのが恒例となっていました。

 秋田県五城目町(ごじょうのめまち)を流れる馬場目川(ばばめがわ) は山女魚釣りの銘川。  
映画「 釣りキチ三平 」の撮影が行われた・・・どこまでも美しい流れ。。。

最上流の集落・蛇喰(じゃばみ)地区には、三平君と一平じいさんの家も馬場目の流れを見下ろす緑の岡に静かに佇んでいる。

 キノコ採りと山女魚釣りの名手であった岳父も生前、、、馬場目川とその流れに棲む山女魚をこよなく愛して。。。  渓に静かに浸透し、「山女魚、一匹一匹を吟味して釣る姿」は一平じいさんとダブってくる・・・そんな岳父の横顔。


 「 今朝の馬場目川の山女魚釣り、、、どうですかネ?  親父さん。。。 」

あかつきの薄闇が残る空の下、、、ライトを点けて道を急ぐクルマのハンドルを握りながら、、、彼岸に居る岳父に問い掛けている。。。

 『 ここしばらく、、、秋田では大雨が降り続いていたから、、、増水した流れの岸際を狙うことだ。。。  俺だったらそうするナ。。。 』 と懐かしい岳父の声。


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 クルマを停め、、、懐かしい馬場目の流れに橋の上から再会してみると・・・・・ 思いもかけず、雪代時期並みの増水で。。。

 ありゃ、、、こいつは。。。

 「 親父さん、、、 やはり・・・でしたね。。。  このまま釣り上がってみようと思いますが、、、 あまり期待しないでください。。。 」 


 ボンヤリと釣り姿になった岳父の気配が、、、くわえタバコを吹かしながら、、、隣に佇んでいる。。。

 『 いや・・・ この増水なら、、、却って山女魚の遡上が多いかも知れんナ。。。 いつものトコから釣り上がってみるのが良いだろう。 』 と夏の川風に乗って聞こえた岳父の声。。。 


 岳父の声に促されるように・・・・・ 手早く R.L.Winston DL-4 7'6" #3 のジョイントを継ぎながら、、、この後の釣りで出会う魚 を想って。。。

 雨降り続き後のこんな高い水位なら、岳父の云っていた・・・岸際のヤブ際の浅瀬・緩流へと山女魚達は定位し、ヤブから落下する陸生昆虫を捉えているだろう。。。  そんなスポットを探し上がりながら、、、少し小さめの昆虫パターンで水面を探ってみるか。。。

 Lamson社 Lite Speed 2X より引き出す 7X の先糸に 手製のDry Fly 『ヘアカディス#16』 をフリーノットで結ぶ頃には、、、 今日の釣りへの期待が静かに沸騰していた。。。

 

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 岳父とよく通った入渓点から数えて直ぐの・・・大きな底石が入った長い深瀬、、、

この時期の平水位より20cmも高く増水した川水は、岸際のヤブまでも深く沈めていて、、、遡行の大変さといったら。。。   一歩、、、さらに一歩と、、、川底を踏みしめ、確かめながら上って行く。。。


 流れを見極め、流れに2歩ほど踏み込んで立ち位置を決め、、、対岸の岸際にあるヤブ下の緩流へと・・・・・毛鉤を差し込んで行く。。。  

増水でライズ・スポットの面積もわずかに、、、ヤブ際を10㎝ほどのドリフト。。。  水位が高く、幾度か流して定位する山女魚の注意を惹きつけて咥えさせる。   そんな精密な10ヤードほどの毛鉤投射。。。

 
  いきなり、、、 暗緑色に染まった水底から突き上げるようにして、、、 

  ズボ・・ッ !   水面が弾け散るような・・・・・ 激しいライズ。。。

 
  これを一拍見送り、、、  ラインを滑らせるようにしてセットフック !!

   グウン・・・ッ !    乗った 。。。


  瞬間、、、暗緑色の川面に巨きな白銀色がうねり、、、
山女魚は増水した馬場目の流れに乗り、、、さらに下流へと、、、キリモミする疾い重厚なローリングで突進を試みる。

 R.L.Winston DL-4 7'6" #3 は大きくロードし、グリップが撓りながら、山女魚のローリングへと応酬する。。。    Lamson社 Lite Speed 2X のドラッグからジリジリとラインが送られ。。。

  グウッ、、、  グン・・・グン・・・グウーンッ、、、  

7Xの先糸を庇いながら・・・増水で底石の不確かな深瀬を引きずられるように、、、下流へと向かって山女魚と共に下ってゆく。。。


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 こうして、、、夏の川風に乗ってくる彼岸の岳父との山女魚釣り旅も、、、 「川のある土地」 馬場目川より祝福されたようです。 


 改めて、こうして画像で再会すると、、、川辺で出会った一匹一匹に、、、「川のある土地」それぞれのエピソードで、、、往く夏の川風は傍らを通り過ぎていました。


 そんな夏の名残の川風が皆さんにも届きますよう。。。

川辺で・・・また。   それまで・・・どうぞ良い釣り旅を。。。


 < 追伸 >

 地球丸・FlyRodders 誌 11月号 / 9月22日 発売 にも 往く夏の川風 ・ 荒雄川C&R区間 でのエピソードが紹介される予定でした。   この記事は、同誌の鈴木編集長が渾身のライティング編集です。  こちらも、どうぞお楽しみに。。。 
 
    鈴木編集長より  ~ 皆さん、プロショップ・書店でお買い求め頂ければ・・・さらに嬉しい! ~ 

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2014/08/24

往く夏の川風 2014 前編 ~6月そして7月~

 5月末にBlog記事更新して以来、、、時と共に多くの川水が 広瀬川に掛かる牛越橋(うしごえばし) の下を流れ過ぎてしまったようです。

 休筆期間も、、、相変わらず「山女魚釣り師の密やかな旅」は続けられていました。 

 
 山女魚が夕暮れの川面に熱狂を続けた6月、、、  その月末の川止め期間中には、亡くなったカミさんの数えて5回目となった命日を迎え、、、 同行二人となる「静謐な6月の釣り旅」の記憶。

   広瀬本流 そして 上流域 、、、  新婚時代カミさんと訪れていた 山形 T川 、、、


 夏至を過ぎ、日ごと季節が進んで行くのに従い、吹いてゆく川風にも熱暑が篭りはじめた7月、、、  高校・中学それぞれで最終学年となった息子達が出場していた部活動の大会観戦、、、 その僅かな時間の合間を縫って出掛けた「小さな釣り旅」の記憶。

   広瀬 上流域 、、、  下の息子の釣り好きな部活仲間と訪れた T池 、、、


 こうして、、、川辺での場面ごとに画像を編集しながら気付いたのが ・・・この6月から7月にかけて記憶されたそれぞれの釣り旅・・・ には、今は亡きカミさんや息子達と共に自らが過ぎ来た時への 感謝 がおぽろげに映し出されているコトでした。。。


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 この夏は、そんな訳で自らの山女魚釣りばかりに集中出来ない状況でしたが、、、却って一歩引いてみる、、、そんな心理的余裕が良かったのか?   川辺に立てた時の感覚は柔軟に研ぎ澄まされ…流れ全体を見通すコトにも繋がって、、、 また一段、、、自らの釣りで停留していた 境地 を僅かに越えられたと自覚していました。


 立ち寄っていただく皆さんにも良い川風が吹きますよう。。。   初秋の良い釣り旅を。
  


※ 個人的事情で休筆期間のインターバルが長くなってしまいました。  今回の記事「 往く夏の川風 2014 」は画像コンテンツが多いため、今回を前編として 6月から7月の釣り旅 を、、、 そして 8月の釣り旅 は後編として近日中にアップロードいたします。

 

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