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2007/12/02

冬陽のトビケラ~荒雄川

 次第に早くなる日暮時の寒さも冬本番に向かう中、霜月・11月の末日を迎えました。

打合せの為、夕暮れ時の仙台の往来を歩けば、目に入る年末・歳末商戦のデコレーションは過剰なまでに飾り付けられて、否応無く・・・これからの師走は忙しい・・・そんな街中の気忙しい雰囲気に飲まれてしまい、精神的な疲れも手伝って、、、在るがままの風景に収まる川辺に山女魚のライズを待つ夕暮れ時の心に滲みる美しさを思い出していました。
  

 今年も12月に入れば、川辺で鱒を相手に毛鉤を流すことも適わなくなる・・・・・

そう思うと、毎年訪れてくる禁漁期特有の虚無感が忍び寄り、、、幾多の人生経験を積んで打たれ強くなった筈の40オヤジの胸は切なくなって来ます。
人の込み合う往来で人気の無い夕暮れの川辺を無性に懐かしく感じるのは、きっと何かに疲れている証拠なんでしょう。。。

 月末業務に忙しい・・・・・と他方では云いながら、、、『忙中閑在』何とかしてしまうか!?
ポチッ!と、、、いつも喧しい携帯の電源を切ってしまえば、これで 行先不明・連絡不能 さね。 
精神的不良中年の本領発揮、、、いや、、、すでに反社会的行動か?

 荒雄川の遊漁シーズン最後の日くらい、断固として時間を作り俺は川辺に立たせてもらう・・・ぜ!

こうして、、、11月末の朝、後先を省みない無謀な行動が開始されたのでした。。 


Dsc02418 釣り旅に出ると決めれば、その段取りは我ながら呆れるほどに素早い。

 アッと言う間にいつもの釣り支度が用意され、反対車線に連なる通勤車の渋滞を尻目に見ながら、一路クルマは荒雄川へ向かってひた走る。。。

初冬の澄んだ青空がフロントガラス越しの風景に広がり、荒雄川C&R区間のシーズン最終の釣り旅に華を添えてくれるようだった。

 国道4号から分岐して国道47号に入り、岩出山~川渡~鳴子と過ぎて更に国道108号へと入り、鳴子ダム~鬼首と走り進むと、道路沿いの気温表示板が鳴子を過ぎた辺りから先の地点では未だ氷点下を示しており、道端の日陰に在る枯れ草には一面の霜が降りて白く色付いている。  この先の道路は凍ってなければ良いが・・・。

 鳴子ダムの氷点下の気温表示をみて幾分ペースを落とし、それでも午前9時45分には荒雄川の川辺へ到着。

 日釣り券を購入しに毎度立ち寄るお店のおじさんは、この秋から時折一人で現れるヒゲ面を覚えてくれたのか?「昨日まで朝のこんな時刻でも随分釣り人が券を買いに立ち寄ってたけどナ、今朝はまだ僅かだよ。 最終日なのにナ。 折角だから今日は天気も良いし、ゆっくり愉しんでって。」そんな声を掛けてもらい、ついでに川の情報も。  オヤジさん感謝! よ~し、釣り人が少ないってコトは・・・訪れる度に目を付けてみる流れのあちこちを放浪出来そうだと。。。今日の釣りへの期待も高まって行く。。。


Dsc02417
 C&R区間の上流側にある落差の低い堰堤を挟んでそれぞれが堰堤の落ち込みから長く続いて行く平瀬・深瀬には複雑に入る底石が豊富な水棲昆虫とこれを狙う鱒達の付き場を提供して、、、先回に続いてシマトビケラのイマージャーによる水面下のニンフィングを試したい自分には格好の流れだった。

 荒雄川では使い慣れた DiamondBack "Classic Trout-Custom" 8'4" #3 にDT#3を収めた HARDY FeatherWeight の道具建て。  リールのドラッグは大鱒の川面を高速横断する強烈なローリングファイトに備えて、バックラッシュ寸前まで緩めている。  そして、先糸を含めて全長で18'でまとめた7Xのリーダーシステムにごく薄いポリヤーンによる手製のインジケーターを挟み#18のシマトビケラ・スパークル・ピューパをフリーノットで結束して。。。準備完了。 

 よ~し、、、今日も頼むぞ。
シマトビケラ達のハッチに上手く巡り合えますように・・・・・。

釣り支度を済ませ、未だ日陰の水溜りには薄氷の張った冬陽の下をシーズン最後の川原に降り立った。


Dsc02424
 
 落差の低い堰堤落ち口から白泡が消え、入り組んだ底石によって流れが複雑に絡み合いながら流速を静め、それまで羽化しながら水流に阻まれ続けていた シマトビケラ が水面に浮き上がってくる絶好の流れ。 
長くそして広い平瀬の中で自分が目を付けるそんな流れは僅かに3メートル四方の狭いスポットだった。

 そんな川辺に姿勢を低く保ち、複雑に絡み合っては流れて行く水面のスリガラスを偏光グラス越しに鱒の姿を探すと・・・・・

 果たして、、、大きな左右の底石に流れが絞り込まれた水面直下に定位している大鱒の姿を発見!
定位する大鱒は冬陽に照らされながら川底の色彩へと同調して、流れが撚れる度に流下してくる何かを捕食している。

 美しくそして厳かな「水中の賢者」の様子に見入っていると。。。。。

突然、視界の中に川風に乗って飛翔するいくつかのシマトビケラ・アダルトの姿が入って。。。。。

  やはり、、、、、ピューパなのか?  鱒が待ち続けているのは・・・・・。


 先糸に結ぶ スパークル・ピューパを口に含んで唾液で湿らせ、そして鱒の定位している位置を読み、10ヤードのアップストリームキャストは幾分強めのターンで投射。

  上手く行けよ。。。

 微かにウエイトを噛ませた毛鉤が流れに揉まれ、下流側へのメンディングで沈下を助けると、、、ポリヤーンの微かなインジケーターはターゲットである鱒の定位位置へと流れて行く。

  細心のドリフト。。。  
  
  よ~し、、、入って行った。。。


水面下に見え隠れする大鱒の様子と先糸に挟んだインジケーターの変化に集中していると、定位していた大鱒がその位置を微かに動いて、目前に流れるスパークル・ピューパを摘む仕草を!

 遅れて、、、インジケーターにはフッ!と押さえ込まれたような、流れのリズムに同調しない生き物が発した微かなシグナルが。。。


 一拍送り、ラインを滑らせながら、バット側を持ち上げるように短いストロークでセットフック動作!

   グウ・・・ンッツ!   

   乗った。。。。。

 DiamondBack "Classic Trout-Custom"が激しく撓り込み、あの大鱒の太くて精悍な躍動を竿全体で受け止めている。

   グン、、、

   グウン、、、ギュウーーーーーーーーーーーーッ、、、、、、、、、、、

Dsc02420
 みるみるハンドツイストしている左手のラインが流れに引き出され、、、さらにリールからも、、、
対岸へと向かって強烈な勢いでラインは延びていく。。。

チイーッ、、、チイイイーーーーーッ・・・・HARDY FeatherWeightの高速逆転音がその動きに連動して。。。


 大鱒のスピードに乗ったトルクフルなローリングファイト。。。    
対岸の際で突如反転し、90度のターン。。。。。延びて行くラインは大鱒のスピードで一瞬、90度に折れたように見えて、、、

そして、強い流れの中で巨体を持ち上げ激しいジャンプを立て続けに

   ギュウーーーーーーーーーーーーッ、、、、、、ドッパーン、、、ドッパーン、、、

チイーッ、、、チイイイーーーーーッ・・・・再び、HARDY FeatherWeightの高速逆転音がその動きに連動して。。。

 あの大鱒は未だ7Xの先糸に留まっている。。。#18の鉤は持つだろうか。。。


 幾つもの鱒がシマトビケラの流下に合わせて流すスパークル・ピューパへと激しく反応して、美しい鱒をランディングする度に次第に高揚してくる釣り心は、ニンフィングへと夢中になっていた20歳の自分自身のそれへ引き戻されてしまい。。。。。何かに疲れていたコトなぞすっかりそっちのけ。。。。。でした。


Dsc02428


 こうして、午後3時頃まで断続的に続いたシマトビケラ・ピューパの流下が終わると鱒達の姿もいつの間にか流れに見えなくなり、やがて初冬の足早な夕暮れを迎えて荒雄川の2007シーズン最終日は幕を閉じました。

 さて、、、と、、、宮城県の河川解禁日まで残すところ3ヶ月。
この秋は荒雄川の鱒達にもいろいろ宿題を預かってますから、禁漁期間はまずその辺りから取り掛かろうと思います。   この宿題は期間内に解ければ良いのですが。。。


 また、、、何処かの川辺で。

良い釣り旅を。。。。。来るシーズンも再び。


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