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2007/10/27

銘無き竹竿~The Bamboo-Rod has no Name

 爽やかな秋晴れとなった朝、稲の刈り入れが終った宮城県北部の田園地帯をクルマは走る。

先ほどから、何処までも続いてゆきそうな曲がりくねった田舎道を背景に、道案内兼ドライバーのW氏と助手席に座る中国料理 楓林・ご主人S氏の和やかな毛鉤釣り談義が続いている。

 秋の柔らかな陽が差し込む川面にはコカゲロウの羽化が続いていることだろう・・・。  川から離れた田園地帯を走るクルマの後部座席に凭れウトウトしながらフト・・・鱒達の作るライズリングの連なる風景を思い返していた。。。

  

Dsc02391_2 田園地帯のどこにでもあるような集落へ差し掛かるとクルマは速度を落として、十字路そして五差路を抜け、、、更に田圃脇の農道を僅かに走り到着。

 大きな作業場と棟続きにある農家・・・そこが 『 Obara Rod 』 の工房だった。。。

クルマを止め、降り立つと、、、秋の陽が庭先に差し込み、そよと優しい秋風の通る静寂が僕らを迎えた。


挨拶もそこそこに近況を交えW氏そしてS氏との毛鉤釣り談義が進んで行くと、、、自分とは初対面のビルダー・小原氏もこれまで構えていた緊張をほくず様だった。。。

  「 この夏中、S氏より借受けて使ってみた Obara Rod 7’6”#4 が自分の釣りの内へ強く印象に残っていて、、、そんな竹竿を作る竿師に会ってみたいと思って・・・。 」 と自分の来意を告げると・・・・・。

  『 正直、自分は人との遣り取りが全く苦手で親しい人間とも話してみると、翌日は寝込むほど疲れるんです。 出来れば、自ら思い描くテーパー・デザインを削り、貼り、塗って組み付け、そして投げる・・・そんな理想とするアクションを目指す製作作業に自らを集中していたい・・・と願っています。 恐らく、3回生まれ変わるほど時間を費やしても、理想とする調子まで届かないと思いますが・・・・・。 』 と小原は穏やかに話し始めた。

 朴訥に語り進む話から小原が目指しているのは<道具として使い手に究極の扱い易さと楽しさをもたらす釣り竿>と伺えた。。。

  『 使ってもらった 無銘の7’6”#4 は自分がこれまで工夫した製作ノウハウを注ぎ込んだプロトタイプでコンパウンド・テーパーによる実戦的な調子の竹竿となっています。 一般的なカーボンロッドを使い慣れた釣り人には癖在る竿・・・振り易くは無い・・・に意図して仕上げてますが、毛鉤釣りで20シーズン以上数多くの現場経験を持つ方なら、この調子による必然性を理解頂けると考えていました。 しかし、そんな製作者の考えは、本来使用して頂きたいベテランの皆さんまで届いていないのが、、、現実です。  無駄な虚飾など一つも無い外見から・・・どうせつまらん竹竿だろう。。。と。  そんな事情もあって、この竿を35年来の毛鉤釣り師であるSさんへお譲りした訳です・・・ 』 とも。。。 

  
 Dsc02394
 「 実は、、、使ってみた自分も、このプロトタイプ 7’6”#4 をこれまで使用していた Hardy Graphite-Marvel の代わりの竿にと考えていて・・・仮に全く同じ調子と仕様で、僅かにグリップとリールシートを変更して作って欲しい・・・との依頼を受けてくれますか? 」、、、、、恐る恐る聞いて見ると、、、、、

 小原はやっと我が意を得たと・・・微笑んでみせ 『 では、工房に用意してある全ての素材と製作工程を説明しましょう。 それで納得頂ければ喜んで製作を引き受けましょう。 』。。。。。と


 線径の極々細い自製のガイド製作工程と2タイプあるメッキ処理について、、、始まり

 金属フェルールの素材選択と旋盤加工とメッキ処理~仕上げについて、、、

 リールシートの金属加工と銘木の選別~切り出し加工~3年に渡る乾燥処理~更に1年に渡る塗装仕上げについて、、、

 竹の選別、、、荒削り、、、仕上削り、、、(ホロー方法については秘密だそう)、、、貼り合せ、、、塗装工程、、、仕上げ、、、ラッピング糸の自家染についてまで、、、

 
 小原は休む事無く、熱の籠もった声で立ち寄り先のブース毎の説明を続けて行く。。。
澱み無く語られて行く竹竿の製作工程。。。それはまるで実際の製作作業を見ているように正確で緻密だった。。。

 本来、[ 部外者立ち入り禁止 ]である製作作業の各ブースに招かれて入った時の驚き!
割ったばかりの竹、、、そしてミリングマシーンと竹の切削クズの跡、、、仕上用の測定機材、、、バインディングが済み乾燥へと移る素材が待ち構えて。。。

そして、塗装ブースに何気なく置かれていた製作のキモとなるホロー用の何らかの機材。。。については口外無用と念押しが!  きっと、素人だからと・・・見せてくれたのだろう。。。

 仕上げのブースを除く製作工程を廻り終る頃には秋の陽も急速に西へ傾いており、ここで、やっと、、、昼食抜きで説明に聞き入っていたことに気付いたのでした。


 どうやら・・・自らの欲する釣竿へ賭ける情熱には、作り手そして使い手に食う事を忘れさせる程の得体の知れない魅力が備わっているようです。


 程なく、小原氏の工房を辞して帰り足に着いた車中では、穏やかな秋の夕日に照らされ無言の3人となっていました。  きっと、、、別れ際に 12万円・納期3ヶ月 と聞いた竹竿の製作条件をそれぞれがどうやり繰りしてみようか?と考え込んでいたのでしょう。。。

 いや、、、既に竹竿を片手に川辺で遊ぶ自らの姿を思い浮かべていたのかもしれません。

Dsc02373 秋空に写り込む大鱒とファイト中のS氏の勇姿とロードしている 『オバラ製竹竿』 の美しいベンディング・カーブ。。。遠く見えている奥羽の山並みでは今夕もコカゲロウが舞っているだろう。。。静まり返った川面を想い返していました。


 無銘の竹竿に込められた作り手の情熱は、新たな釣り心を呼び起こしてきたようです。
一本・・・行くか?!


 10月の良い釣り旅を。。。

 


 ■ Obara Rod
    TEL: 0229-45-2673
 

 

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2007/10/21

北風と雨とコカゲロウ~荒雄川

 寒気が東北上空にも流れ込み、仙台市内では秋の陽が差していたものの、午前中から晩秋を予告するような北風が吹いて、少々肌寒い天候の日曜日となっていました。

 先の水曜日、荒雄川へ出掛けてしまったせいで業務スケジュールは押せ押せとなり、おかげで今日は午前中一杯掛けて真面目に溜まっていた仕事してました。。。ま、世渡りってそんなモンです。 自らサボればそのツケは廻ってくる訳で・・・。  

Dsc02385  そして、さあ・・・支度して出掛けようか?となったのが午後1時30分を少し廻った頃。

午後5時前に日没を迎えるこの夕暮れ羽化するコカゲロウのライズ・ゲームへと出掛けるには少々遅い出発ですが、、、ま、いつもの広瀬本流のノリで、、、1時間も川辺に立って毛鉤を流せれば良し。。。です。

行き先は、、、寒河江にしようか?それとも荒雄か? いずれにしても、これから2時間弱をクルマで走って・・・辿り着いたら支度して即本番のタイミング。  いや~際どいナ。。。
 
 こいつは・・・出先の天候が外れてたら最悪・・・と、念の為PC上でそれぞれの河川のテレメーター水位と天候を確認してみると、、、上空に在る寒気の影響で奥羽山脈を挟んだ山形内陸・山沿いは朝から雨降り、、、寒河江川の水位が急激に上がっており、未だ雨も降っている様子。

 では、荒雄川は・・・うん、水位・天候とも急激な変動も無く大丈夫なようです。 今夕の行き先は荒雄川だ。。。

そうだ、、、先日S氏と遊んでみた区間の上流側、一昨年、取材で訪れて気になっていた大石の入ったあの平瀬を試してみよう。
 きっとあの区間でも大鱒が平瀬の底石周りに定位して、夕暮れ時に来るコカゲロウの流下を待っているはずだ。

そうと決まれば、、、急いで出発ダ。。。。。

 


Dsc02387 移動途中の一般道の渋滞にハマるうちに小雨が降り出しおまけに強い北風までが吹き始め、鈍い雨雲と強風の中を荒雄川C&Rの川辺に到着したのが午後3時30分を廻った頃。

 ありゃ~、、、すごい天候だ。。。

川辺に駐車してあるクルマへと戻り、帰り支度を始めた釣り人の姿もチラホラと。。。。。
そして川辺に粘る毛鉤釣り師のフライラインも、フォルスキャストでは北風に煽られてヒラヒラと凧揚げ状態。。。。。

 しかし、、、、、到着したばかりの自分は釣らねばなるまい!
折角、遠路はるばるコカゲロウの流下を夢見て来て見たんだから。。。。。  春先に度々経験した強風下で起きるコカゲロウの集中羽化の可能性も、この場面ではやはり捨てられないし。。。。。

 ダメもとで夕暮れまで待ってみるか? とミッドウエイトのフリースを着込み、その上にレインウエアの防風・防水の完全装備で川辺に降り立った。

 先日に続き DiamondBack "Classic Trout-Custom" 8'4" #3 にDT#3を収めた HARDY FeatherWeight の道具建て。  そして、強風対策に先糸を含め全長で15'と短縮した7Xのリーダーシステムに#20が標準サイズとなるコカゲロウ・クリップルをフリーノットで結束。。。 

 これでよ~し、、、頼むぞ!  コカゲロウに注目している鱒が在りますように。。。


 低い堰堤から流れ落ちる水が平瀬の底石によって複雑に変化してコカゲロウの羽化して来そうな流れの筋を一つ一つ偏光グラス越しに凝視していると、、、、、主筋の収束位置に殆ど水シワのような微かなライズを発見!

視点をそのライズの痕跡が残る水面に向けると、、、、、少しだけ頭を出した大きな底石の前で水面直下に定位する大型の鱒が。。。

 川への願いが通じたのか? 雨降り+強い北風の下でもコカゲロウが・・・・・やはり・・・・・。


 風上位置まで静かに移動して、ダウンストリームにこのライズ位置を取りながら幾度か丁寧に攻め、今夕もいくつかの美しい荒雄川の鱒から #20 コカゲロウ・クリップル によるライズゲームは祝福されました。


 吹き荒れる北風に苦労しながら、鱒の待つフィーディング・レーンへ極小毛鉤が上手く乗れば、、、微かな斑紋を残して鱒のライズ。。。

  斑紋を見送りながら、、、一拍送って、静かにラインを滑らせながらのセットフック!

  DiamondBack "Classic Trout-Custom"が大きく撓り込んで、鱒の重量感あるファイトに応酬する。。。

  Hardy featherWeightの激しい逆転音。。。

  ラインの先端が流れ越しに対岸へと見る間に延びて行き。。。


荒天の下、秋の早い夕闇を背景とした数々の瞬間に、、、自分の心が次第に高揚して行く。。。
「無理して、来て見て良かった!」と予想通りの 結果オーライ に少しだけ自己満足してみたり・・・・・。


 夕方5時過ぎには周囲の山並みが色付き始めた川から上がり、今夕も僅かな時間でしたが、荒雄川・コカゲロウのライズゲームがまた一つ、自分の記憶に残されました。

 また、コカゲロウの舞う川辺でお会いしたいものですね。
10月の良い釣り旅を。。。。。


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2007/10/19

10月のライズリングふたたび~荒雄川

 夜明け前の早朝5時、携帯の目覚ましアラームが鳴り、未だ布団の中で夢心地の自分へ隣家の屋根から響くやわらかな雨音が届いている。  外では穏やかな秋雨が降っているようだ。。。

Dsc02381
 仙台市太白区のJR長町駅前にある「中国料理 楓林(ふうりん)」のご主人S氏と約束していたAM5時30分の出迎え時刻まで、まだ30分も在るが、、、きっと気の早いS氏のことだから、既に到着して待っているハズ。。。さて、そろそろ、出掛ける支度をしないと。。。

 しかし念の為、、、出掛けに河川状況を確認しておくか?とパソコンを立ち上げ、行き先である 宮城県大崎市鬼首(おにこうべ)の天候 と 荒雄川C&R区間 の水位について情報集めを約束の刻限まで。。。

 宮城・西部/山沿いの天候は午前中のうち雨が降ったり止んだり・・・そしてお昼頃から晴れ間が出るとの予報。 荒雄川のテレメーター水位はここ2日程は変動無く安定したまま・・・。  こいつは・・・ナカナカの釣り日和。。。

 雨降りの中を玄関先まで出てみると・・・先日の待合せ約束から荒雄川での釣りを楽しみにしていたS氏は、予想通り、、、30分も早めに着いてクルマの中を待ってくれて、生憎のこんな天候でも「やあ、おはよう! 雨降ってるね!」の声に今日の釣り旅への期待が籠もっているようだった。。。


 先の寒河江C&R区間で見た コカゲロウ のハッチ情報を入れとこう・・・と、その翌月曜、「楓林」の昼休みにS氏を訪ね、寒河江川におけるコカゲロウのハッチを話込むウチに、、、何時の間にか『荒雄川C&R区間ではコカゲロウのハッチどうだろう?』・・・"魅惑の議案"がS氏より出されるに至り・・・この議案については現地で確認せねばと急遽、予定されていたS氏の釣り旅へ同行するコトとなった次第。。。

 まあ、今回の釣り旅に出る理由を色々言い訳のように挙げたけれども、、、結局のところ[何時でも毛鉤釣りが出来れば・・・]それが本心。。。  この想い、西洋毛鉤釣りの愉悦のドロ沼へどっぷり浸かった人間だけが理解できるコトなのかもしれません。

 こうして突然決まった予定でしたが、俄然ヤル気が湧いたその晩は、先日の寒河江川で効果を認めた・・・羽化途上を暗示するコカゲロウの毛鉤巻きを頑張り、S氏にも分ける分を含め12本ほどの極小毛鉤が出来上がりました。


Dsc02359_2 途中、日釣りの遊漁証を購入しに立ち寄った地元のお店で「雨降ってるのに釣りするのかね? 券が無駄になるよ?」と声を掛けられ『雨降ってると釣り人も少ないと思って・・・』なんて言い訳をし、、、午前8時30分過ぎ、荒雄川C&R区間の川辺へ到着。

 車から降りると・・・雨降りの中でジワジワ肌寒さが忍び寄ってくる。
う~ん、、、こいつは、ダラダラと日中掛けてのコカゲロウのハッチが期待できそうだ。。。

 川辺には、、、こんな少しの雨降りくらいで挫けなかった釣り人の姿が。。。あちらこちらに見えています。
雨降りのウイークデーだと云うのに、この釣り人の数にS氏も自分もビックリ。。。いや~、皆さんホント好きだね~。。。

 支度を手早く済ませ、流れの筋毎にハッチとそれに対するライズを探しながら、ゆっくり遡行を開始。

穏やかな流れの底が見通せる膝下程度の平瀬では特に川辺から離れ、姿勢を低くしながら、ポジションと角度を変えてはヒラキ側にある底石の1つ1つを偏光グラス越しに確認して、そこに定位しているはずの鱒を探して行く。。。

 この状況なら、朝一で他の釣り人が流れに立ち込んだり岸辺をバタバタと歩き廻っていなければ、、、きっと鱒達は、平瀬の流れでハッチしてくるコカゲロウの流下を待っていることだろう。。。


Dsc02371_2 午前10時30分を廻って雨雲の間から少しずつ秋の陽が川辺に差し始めると、、、、、肌寒かった気温がほんのり暖まり始め、、、、、川面には極小のユスリカが走り出した。

 すると、、、ところどころに設けられた落差の低い堰堤の落ち込みの白泡直下に小型の鱒らしい姿が、このユスリカを追いかけるようにして見え隠れ始め、水面を割るまでのライズにはならないモノの水面直下に定位しては時折魚体をクネらせ、流下してくるピューパを捕食する度にギラッと白銀色を反射させている。

 そんな小型の鱒達の様子をしばし見入っている内に随分時間を食ってしまい、一つ上の堰堤下を探っているS氏に追い付こうと川辺を静かに行くと・・・・・漬物石サイズがごろごろ入る踝上の平瀬ヒラキで起きたライズを発見。。。

 このライズ位置の水面を更に凝視していると・・・・・ヒラヒラと疎らに舞い始めた待望のコカゲロウの姿が!

 始まった!  朝からこの時を待ってたヨ。。。。。賢者のいよいよ登場時刻だナ。。。
時計を確認すると午前11時を少し廻っていた。

Dsc02368 コカゲロウが流れに姿を見せると、それまで静かな川面に鱒達の生面反応が現れ始めて、、、自分が姿勢を低く保ち、そして川辺から少し離れて気配を隠していれば大型の鱒まで岸際の底石まで見通せる緩流へと姿を表し、そこへ定位したままコカゲロウの流下を待っているのだった。。。

 おお~っ、、、今、入って来たこいつは大型の鱒だナ。  45クラスか?
いや、、、待て、、、その直ぐ下流の底石際にも、、、同じサイズの鱒が既に定位している。。。う~ん、こっちの方が一回りデカイか?

 やっ!、、、、、そのまた先の流れの底石にも鱒が入っている。。。


 視界を低く膝付いたまま観察を続けていると、、、現れた鱒達はコカゲロウが多数流下して来る流れのベスト・ポジションに定位し、その姿勢は左右にブレる事無く、その僅かなフィーディング・レーンに入ってくるイマージャーだけを選択捕食している。。。

 定位位置の流速は緩いが、鱒達にはそれを補って余るほど有利な水の透明度と複雑に入る底石が起こす複雑なスリックが極小の毛鉤釣りを難しくする。

 いや~っ、、、ヤルもんだナ。 荒雄川の鱒も。

これまで、相当期間に釣り人が投入れた毛鉤で釣っては放され、、、そんなコトを繰り返し学習するウチに毛鉤に対して賢くなって行った様子が捕食位置の選択からも伺える。。。


Dsc02383_2 極小コカゲロウ毛鉤を流し込んで大鱒を攻略するために・・・特に用意していた DiamondBack "Classic Trout-Custom" 8'4" #3 にDT#3を収めた HARDY FeatherWeight の道具建て。  そして、先糸を含め全長17'超となる7Xのリーダーシステムに#20が標準サイズとなるコカゲロウ・クリップルをフリーノットで結束。。。

 手前の岸際の緩流に定位し、、、直前に、一発だけ流下するコカゲロウ・イマージャーへとライズした大鱒に向かって・・・。

 鱒の視界にラインの影が入らぬよう岸沿いと平行したフォルスキャスト1往復で定位位置まで12ヤード程のメジャリングしたラインを引き出し、そして、ライトカーブ、、、僅かに上流側へとリーチ。。。

 極小のコカゲロウ毛鉤がターゲットとしていた本来のフィーディング・レーンから10cm程、流芯側を漂っている。
しかし、、、鱒に悟られぬよう、そのままドリフト。。。。。リーダーが複雑な底石による反転流に捕まったら、すかさずフリップ+メンディング、、、、、
 毛鉤は確かに大鱒の視界へと自然に入って行った筈だが。。。フィーディング・レーンを外れて流下する毛鉤にはピクリとも動かない。。。

 鱒の視界から完全に流れ切った事を見届け、、、再び、、、ライトカーブ、、、僅かに上流側へとリーチ。。。


Dsc02361
 よ~し!  今度は入った!
  
確かに極小のコカゲロウ毛鉤はフィーディングレーンに乗って先の捕食位置に向かってフラフラと押し流されて行く。。。。。

細心のドリフト。。。。。リーダーが複雑な底石による反転流に捕まったら、すかさずフリップ+メンディング、、、、、

 いい!  そのまま行け・・・行け!  入って行った!!


 ユラッ!・・・・・と大鱒が定位位置からその姿を浮上させ、視界へ入った水面の極小毛鉤に向かって静かに接近してくる。。。。。

水面直下で、、、躊躇い勝ちに毛鉤を見上げて、コンパウンド・ライズのフォームでその鼻先を僅かに水面へ出しながら#20のコカゲロウ・クリップルを吸込み、そして、ゆったり反転しながら定位位置へと潜航を試みる。。。。。


 大鱒が反転したのを見届け、、、更に一拍送り込み、、、ラインを滑らせながらのセットフック!

   グン・・・ッツ!   乗った。。。。。

 DiamondBack "Classic Trout-Custom"が大きく撓り込み、強烈な大鱒の躍動を竿全体で受け止めている。

   グン、、、グウン、、、ギュウーーーーーーーーーーーーッ、、、、、、、、、、、

 みるみるラインが流れに引き出されて行き、その先端は対岸のキワまで延びている。。。。。
チイーッ、、、チュイイイーーーーーンッ・・・・FeatherWeightの高速で回転する激しい逆転音がその動きに連動して。。。
 確かに、、、あの大鱒が7Xの先糸に留まっている。。。#20の鉤は持つだろうか。。。


 流れを行ったり来たりしては繊細な道具建てを庇いながら丁寧に遣り取りして、、、何とか流れから大鱒をランディングしてみると、側線沿いの虹色が強く入った魚体の状態も整っている美しい荒雄川の鱒でした。


Dsc02379
 この後もお昼過ぎまで、同じような流れに定位する鱒の姿を探しては極小のコカゲロウ毛鉤を流し込み、反応して来る大鱒とのライズ・ゲームへ向かい続けていました。 
 上手く行ったり、、、気付かれて失敗したり、、、そんな繰り返しで、「中国料理 楓林」のご主人S氏との心地良い釣り旅でした。


 先回の寒河江川そして今回の荒雄川と訪れてみて、今更ながら、、、秋も遅くに活躍してくれる極小毛鉤でのライズ・ゲームもナカナカ・・・と深く感じています。

日頃、おざなりになった感のある・・・毛鉤釣りにおける、、、1投射目、、、川歩き、、、そして魚を見付ける視点がどれだけ大切なことなのか・・・そんなコトを釣り人に痛感させてくれる奥深いテクニカルな要素が満載の釣りなのですから。。。

 折角ですからブラインドでやみくもに水面下をさらう釣りは、また別の機会に取って置いて、極小の毛鉤を結び穏やかな川辺に鱒を探してみませんか?

 いずれ、極小の毛鉤で楽しむ皆さんと10月の寒河江や荒雄の川辺でお会い出来れば嬉しいです。 


 10月の良い釣り旅を。。。。。


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2007/10/14

10月のライズリング~寒河江川

 神無月・10月に入ってから、既に2週間が経過して、、、いよいよ自分は山女魚釣り禁断の初期症状・虚脱感をツラク感じ始めてました。  お立ち寄りの皆さんは河川禁漁期間の毎日をどうやり過ごしてますか?

 先日、仙台市太白区・JR長町駅前にある「中国料理 楓林(ふうりん)」の昼休み時間に釣り仲間であるご主人のS氏を訪ねてみると・・・・・

『この間の休日、寒河江C&Rへ一人で出掛けてみたんだけど、良く無かったよ。  橋の上から覗いてみれば深瀬の底には虹鱒が大小含めて結構見えてるんだけどね。  魚が居る筋は判ったんで、そこをアレコレやってみたけど全く反応しないんだよ。。。 毛鉤を見に来ることも無かったしね。。。 見えてた虹鱒たちはちょっとマトモな状況じゃなかったナ。。。  散発的なガガンボらしきハッチを見掛けたから、これに反応して来るか・・・と結構期待したんだけど。。。 流れをあちこち移動しても同じ状況で結局、つまらなくて午後から早上がりで帰って来ちゃったヨ。』

 ・・・・・そんな耳寄り情報が。。。


Dsc02347 そうか~。 そう云われてみると・・・寒河江C&Rは 10月末 まで釣りOKなんだよナ。
 
う~ん、これはいいコト聞いた!  俺も時間が出来たら様子見に行ってみようかナ。。。寒河江C&Rへ。

 まァ、、、ダメもとでいいじゃん! 秋色の美しい風景の中で川面に毛鉤を流してみるだけでも、自分の禁断症状には効きそうだから・・・。

 良い思い付きに嬉々とする自分の様子に訝しげなS氏へ、C&R区間の川辺で当日見た羽化の様子と虫のサイズ、そして色や飛び方を詳しく聞き込んで・・・・・恐らく、この時期だと秋羽化のコカゲロウがハッチの主体だろうから、小ぶりなサイズの水面絡みパターンを帰ってから巻くか・・・・・と見当をつけ、更にS氏から流れの追加情報も仕入れ、「中国料理 楓林(ふうりん)」を後にしました。


 何せ、10月も中旬になってから、川辺での本格的な毛鉤釣りはこれまで現場経験が無いですから、流す毛鉤の選択を始めとする流れの攻略パターンは殆ど手探り状態。。。そんな訳で、取り敢えずは春先・3月中旬頃の流れをイメージした毛鉤を新たに用意しながら、現地で調整できるよう春先仕様の毛鉤箱を2つ持参するコトに。。。。。

 さて、思い付きはどうなることやら・・・・・。


Dsc02355 そして、思い付きは今日、、、穏やかな秋晴れの六十里越街道をひた走り、、、実現しました。

 日が傾きかけた午後3時15分、C&Rの川辺着。
道沿いの秋の風景を眺めながら 区間 を一通り確認してみると、、、6月の盛期に比べてどの流れも水位は3分の一程度。 橋の上から流れを見渡すと・・・文字通りチョロチョロな水量です。

 ふ~む、、、ここまで水が低くて透明度も高ければ、釣り人に幾度も狙われるポイントでは鱒も神経質になって、なるほど、S氏が云ってた---見えてる魚---になっちゃうか?と納得。

 ど~れ・・・じゃ、魚達の隠れ場所が多いゴロゴロ石が入った平瀬の区間でライズ待ちして様子見しようとこの夏訪れた区間の上流側へと移動。

 そして、釣り支度を整えて川辺に立って見ると、穏やかな秋の陽の当たる膝下程度の平瀬の岸際にコカゲロウのハッチを確認。。。。そしてこのハッチへと向かう待望のライズリングが・・・・・流れのあちらこちらに。。。

  パシャッ!

  ポツーン!

  モヤ・・ッ!

 秋の陽に輝きながら、コカゲロウ達の羽化は時間と共に激しくなっています。


Dsc02353 もう、、、後は コカゲロウ・パラティルト#20 を7Xの先糸に結束している REVIEW FC8303改 で自分の望むライズリングを丁寧に攻略して行くだけ。。。

 川辺から離れ、姿勢を低くしながライズへとにじり寄って15ヤードのレフトカーブ・リーチ。。。
メンディングを一度。。。。。もう、一度。。。。。。

   モ・・ヤッ!   対岸際にある石脇のポケットの反転流で吸込むようなライズ!!  

 一拍送り込んで、ラインを滑らせながら7Xの先糸を庇うように穏やかなセットフック!

   グン!   乗った。。。。。

   グングン。。。グゥーーーン。。。。。

 流れの筋では山女魚が、、、岸際の石周りでは岩魚がそれぞれ流れてくるコカゲロウに夢中だったようです。

 幾つも繰り返し起こったライズを夢中で攻略するうちに川辺は肌寒い夕暮れを迎え、そして、夕闇の訪れと共にコカゲロウ達の姿も見えなくなり、川面は静まりました。


 これまで自分は、6月のガンガンの流れに棲む寒河江モンスターと呼ばれる60越大鱒との知能ゲーム、そのフッキング後に続く格闘戦が寒河江C&Rの魅力と感じていましたが、今回、10月を迎えて穏やかに変貌した秋の流れにおけるライズ・ゲームを経験してみると、、、また異なる寒河江らしさをしみじみ感じていました。

 毛鉤を川面に流す楽しみの真骨頂とでも云うような、真剣にライズを狙うコトの純粋な面白さ。。。
そんな旧くて新しい何かを10月の寒河江の流れは教えてくれるような気がします。

 10月も良い釣り旅を。。。。。


  

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