虹鱒と山女魚
朝に薄日が差したと思ったのも束の間、午前9時過ぎには厚い雨雲が仙台上空に流れ込んで薄暗さを増し、今にも雨を呼びそうな気配。。。
・・・今日みたいに人の目から見ると危うげな天候の方が、、、水棲昆虫達は羽化タイミングを集中させて来るから、やり易いんだよな。 ついでに適度な小雨でも降ってくれると面白いのに・・・
そんなコトを思いながら仕事前のコーヒーを飲んでいると、、、ベランダに出ていた小学5年になる上の息子が「父さん、カゲロウが網戸に止っていたよ。 先日のオオマダラよりとても小っちゃいヤツだけど・・・なんて名前?」と呼んでいる。
駆けつけて見ると、、、息子の指先に止っていたのはクリーム色のコカゲロウ。
「ああ、コカゲロウだな。 網戸に沢山居るのか? 何匹も居るって? そうか、、、また、、、コカゲロウの季節になったか・・・。」
マダラやヒゲナガなどの大型の目に付き易いハッチに混じり、フックサイズなら#18~20くらいのコカゲロウが朝晩の広瀬本流に姿を見せ始める頃になると、ライズの対象となる水棲昆虫が日々変化して、釣り自体が本当に難しくて・・・そして愉しいコトになって行きます。
しかし、愉しいといえる釣りは数えるほどで、ライズを目の前にして打ちのめされることの方が多いのですが・・・。
この時期は天候が安定しない分、水棲昆虫達の行動もその状況に応じてそれぞれ”頃合”を見計らって羽化するコトになるから目まぐるしい複合羽化になるのかな?と自分は勝手に想像していますが、本当のところはどうなんでしょうか?
まあ、こんな状況になると・・・毛鉤収納箱に詰め込む毛鉤の種類を余分に押えておかないとマズイ訳で、、、頭の痛い問題でした。
雨雲から雨がパラつき始めた中を釣り支度して川辺に出たのが午後5時。
日曜日の夕方ともあって、ウエーダーを付けて流れに立ち込む釣り人の姿が流れのあちこちに見えています。
あれは餌釣師、、、そしてこちらはルアーマンか・・・・・。
目ぼしい一通りのポイントはすべて朝から歩かれた・・・ような気配。
普段はヒラキ側にウグイ達のライズが見える深瀬でも川原の葦が踏み倒されていて、魚の反応は全く見えないでいる。
さあて、、、今朝、息子が見つけたコカゲロウ、、、あのコカゲロウがこれから浮上してくるハズの流れを探して行こう・・・・・。
流れの中に魚の反応を探しながらしばらく遡行して行くと・・・太い流れが集まり僅かな落差で落ち込むプールに出た。
岸際を忍び寄ってこの流れの様子を伺っていると ピラッ!とその白泡の切れ目に微かなライズが・・・。
時計は既に午後6時30分を廻っている。 雨雲が上空に在るからなのか夕闇の訪れも早い。
6Xの先糸に#18のコカゲロウ・イマージャーをフリーノットで結束し、浮力剤を施す。
薄暗がりの中で行う毛鉤の目途への糸通しは目勘に頼っていた。。。
糸を結び終える頃にはライズの数が急速に増え、白泡の切れ目からヒラキにかけて騒がしくなっていた。
モヤッ、、、、パシュッ、、、、
手前側の緩流と流芯の筋目で断続的に起きるライズを狙って毛鉤を投射。
薄暗がりの中、白泡に紛れながら#18の毛鉤は先ほどのライズ位置へ漂って行くのが微かに見えた。
いいぞ、、、そのまま、、、、、
モヤッ! 水面が窪んで毛鉤が視界から消える。。。
一拍送り込んで、ラインを滑らせながらセットフック!
ドスッン! 。。。。。乗った!
ギューーーウッ、、、ギューーーーーウッ、、、バシュッ、、、バシュッ、、、、、
あれ、、、山女魚らしくないファイト。。。
首振りしない。。。。。
ヒラキで走り回った魚を強引にネットへ収めてみると・・・尺を僅かに切るヒレの状態も綺麗な虹鱒。
今月の初め、漁協がこの下流で放流していた鱒の一部が遡っていたようです。
ふ~む、しっかりと流れのハッチへ適応しているあたりは・・・並みの虹鱒じゃないナ。。。
しかし、、、この後も白泡の切れ目で起こったライズを確認すると、、、全てが同じようなヒレの状態の綺麗な虹鱒。
いや~、、、まいったナ。
ライズも下火になって来たし、#18の毛鉤は微かにシルエットで見えているだけ・・・。
今夕のライズの主はすべて虹鱒ばかりか?
その時、鋭いライズが疾い流芯奥側で一発。 ピシュッ!!
そこか? 山女魚なのか?
半信半疑で#18のコカゲロウ・イマージャーを疾い流れに送り込むと・・・
モコッ! 素早い反応だった。。。
一拍送り込んで、ラインを滑らせながらセットフック!
ドスッ! 。。。。。乗った!
グングン、、、ギューーーーウッ、、、グングン、、、、、
これは山女魚のローリングだ。 やっと・・・・・。
暗がりでネットに収まった何時もの美しい山女魚を確認して、なんだか安心しました。
流れに素早く適応してゆく虹鱒達には悪いけれども、自分の中を流れ続ける広瀬本流にはやはり、、、和の繊細を感じさせる山女魚が一番似合うようです。
洋の快活を体現した虹鱒の似合う川、、、あの川の風景へと、また旅をしてみたいもんです。
5月もあと僅かですが、良い釣り旅を。。。
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