奇跡の川
4月に入って、寒さと暖かさが交互に訪れて季節の進行が足踏みを続けていたような仙台でも先週末頃から桜の花が綻び始めました。
川辺で季節を迎える山女魚釣り師の自分は、来る春ごとに川辺で咲く桜花と巡り合うことで本格的な山女魚暦のシーズン到来を感じていました。
春の良い釣り旅を愉しんでいますか?
朝から穏やかな晴天となった今日、水曜日は仙台市太白区・JR長町駅前にある 中国料理-楓林(ふうりん) の定休日。
先週末、楓林に毛鉤釣り仲間のご主人S氏を約束していた極小毛鉤持参で訪ねてみると・・・やってた、やってた、、、お店の昼休みを利用して、、、ナニやら難しい顔で毛鉤巻き作業の真っ最中。。。
CDCを使った怪しげなマル秘毛鉤がバイスに挟まっていました。
『 あはは・・・見られちゃったか。 極小毛鉤ありがとね。 今度の休みは何処行こうか?と考えてたんだヨ。 どっかイイトコある? 』
イイトコ・・・ですか?
山女魚のライズが沢山あって、それを上手く掛けると良いサイズだったり・・・そんなトコ・・・ですか?
ナニ・・・毛鉤が振り易くて、シーズンのウォーミング・アップも兼ねられる様な、無垢な山女魚が沢山相手してくれれば尚、良いって?
更に・・・出来るだけ、朝の出発はゆっくり目で・・・ですか?
イイでしょう・・・S氏の我がまま・リクエストにお答えしましょう。。。
休みを調整しますから、今度の水曜日・楓林の定休日は是非お楽しみに。。。
『 いや~・・・楽しみ。 本当にそんな川なの? いや~・・・ホント楽しみ。。。』
しかし、、、喜ぶS氏の目は未だ半分だけ <そんな川が在る訳無い!> と疑惑の色も残っていました。
朝9時、S氏を迎えに自宅へと立ち寄り、そのまま"奇跡の川"まで直行。
到着早々、春の陽光に輝く川面にはライズが始まっています。
春の水面にガガンボが音も無くもがき上がると、山女魚達は先を争うように水底から姿を現しました。
パシュッ! ピシャッ! ポツン!
『 うわ~、、、やってるヨ。 あっ! またライズした! あっ、こっちも! 』
S氏は、深瀬から続くプールの流れの筋に繰り広げられるライズの数に驚いています。
羽化が既に始まっているようです。
この陽気だと、昼頃には オオクママダラ や ナミヒラタ も姿を現す筈です。
のんびり毛鉤道具を支度して川辺に降りて、後はS氏の思うがままに目の前のライズ攻略をどうぞ!
こちらは高みの見物ならぬ 案内人兼カメラマン で、後ろに控えてますから・・・。
『 いや~、毛鉤を貰った上にランディングまでしてもらっちゃって、悪いね~ 』
『 ありゃっ! あ~今のは早アワセだったーーー ちくしょ~ 』
『 また、キターーー 今度のはデッケ~ 』
『 こんなに山女魚を連発したのは久しぶりだよ。 』
『 いや~、、、凄くいい川だネ 宮城県内にこんな夢のような川が在ったんだね~。 』
『 久しぶりに釣り疲れたよ。 本当に凄かった。 山女魚達も綺麗だし。。。 』
語り掛けてくるS氏は本当に幸せそうな笑顔です。
そうですよ、、、何せ、奇跡の川ですから・・・ね。
この川は、ある地理的要因が偶然重なって僅かな区間だけ、、、
それも春先時期、この流れの特殊な立地を理解する者にだけ、、、奇跡を見せてくれる川。
それだけに、まことに脆くそして儚い川。
奇跡の川・・・それは桜の花のように毎春の季節を映し出しては山女魚達と共に姿を消して行く川。
自分も2年前、ほとんど偶然にこの流れを発見した時は毎回心躍らせましたが、この流れの成り立ちを詳しく調べて行くと 流れに秘めた奇跡の存在 を意識するようになり、何時しか流れのライズを通り掛りに眺めるだけでも釣りの満足感を得るようになりました。
そんな理由で、、、自分だけのカーティス・クリークには成り得ない"奇跡の川"。
皆さんもそんな流れが心の中に在りますか?
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