仙台では、今日も昼過ぎから小雨が穏やかに降り始め、、、静かな初秋を思わせる天候でした。
市街地から郊外へ向かう道沿いの田園には稲穂が垂れているのが見て取れます。
そろそろ季節も、夏から秋へと模様替えのシーズンになったようです。
この夕べ、、、雨空の下を業務連絡の為、事務所へ戻ってみれば、、、クライアントの急な都合で打合せが明日へと順延に。。。
ま、こんなこともあるサ。。。 さてと・・・折角、時間が空いたのだから、、、早速、釣り支度しようかナ。。。
既に時計は午後5時15分を回っていましたから、支度を急いで川辺へと駆け付けねばいけません。
このシーズン終期の狙いは先日試していた流れに、、、と定めていますから、後は川辺に釣り姿で立つだけ・・・イブニングのハッチに間に合えば、後は一心に流れと向き合うだけ・・・です。
現場到着が午後5時40分。 釣り支度を済ませて川辺に立つ頃には、既に夕暮れの闇が・・・。
広瀬本流用となった REVIEW FC-8303改 へ DT#3+バッキングを巻き込んだHardy FeatherWeight という先日と同じ道具立て。 渇水が続いて川辺に人出の多かった夏越えの神経質な山女魚のライズを取りに行く為には、着水とこれに続く水面でのドリフトが僅かでも柔らかいシステムの方が効く・・・と先日釣りをして感じた結果でした。
そして、先糸6Xに『逢魔が時』をフリーノットで結束し準備は完了。
風も無い初秋の穏やかな小雨降る夕闇。
そして、暗緑色に染まり始めた流れ。。。
大石の沈むガンガン瀬から続く深瀬に掛け、、、増水で波立つ川面を凝視しては、今夕攻めるべきポイントを選定して行く。 夕闇に急かされる様にして、腰下までのウエーディングで深瀬の頭へと位置決め、、、
流れの中の一本の杭となって気配を鎮めて行く。。。
午後6時を僅かに回って、、、視界にある押しの強い流芯にピシッと一発! 微かなライズを感じる。
そしてもう一度、、、今度はその少し下流側で、、、
カディス・ピューパの流下が早めに始まった。。。
早い流れのそこ、、、ここ、、、にライズする山女魚の気配が満ちている。
川幅一杯に水が流れる中で、、、底石のある深瀬の流芯周りへと山女魚達は集まっているようだ!
『逢魔が時』とリーダーのフロータント処理を確認して、先のライズ地点へと毛鉤を投射。
ループスピードを抑えてストレートキャスト。。。上流側への小さなリーチ。。。
そして、続けてのパドル・メンド。。。
すぐに、、、早い流れへとリーダーは捕まるがこのままドラッグさせて、、、微弱なフラッタリング。。。一度
、、、フリードリフトして、、、そしてもう一度フラッタリング、、、、、
モコリ!!
押しの強い流れの下手30度で毛鉤の行く手に鼻先が現れ、摘むような音の無いライズ!
大型だ!
ラインを滑らせながらバット側のトルクでセットフック!!
流れの押しが強く半拍も待てないままでのフッキング動作。
ドスンッ!! グンッグンッ・・・グンッ・・ フッ!
アア、、、何と。。。。。 浅掛かりでヌケてしまった~~~。 くう~っ。。。
神経質なライズ対策に・・・と選んだ FC-8303改 のバットパワーも、強い流れの中からライズする魚を掛けるには足り無さ過ぎる。。。

ちくしょー、、、今のはデケーッ。。。。。
今の大型魚のライズ・シーンが頭の中にこだまして、冷静な思考を奪って行く。
今のはデケーッ。。。。。今のはデケーッ。。。。。
闇の中、、、タバコを取り出し、後悔に震える手でゆっくりと火を点けた。
この状況では、もう一つ大きいのが出たとしても、選んだ道具立てでは・・・やはり先の二の舞。。。
もっと流速が抑えられる深瀬ヒラキ側、、、下流側へ移動しよう。。。 そして、先糸を太めに代えて心持強く、大きく鉤掛かりまで持ち込むんだ・・・・・。
深瀬のヒラキには時を経たテトラポッドが1つ頭を出して、仕切り直しには格好のポイントだった。
このテトラの前後左右は流速も抑えられ、夕闇の中、この流れに走るヒゲナガの姿も確認出来た。
再び、『逢魔が時』へとフロータント処理を施して、テトラの頭へと毛鉤を投射。
ループスピードを抑えてストレートキャスト。。。続くパドル・メンド。。。
毛鉤は流れに乗ってテトラへと向かっていく。
このままドリフトさせて、、、微弱なフラッタリングを一度。。。
テトラの手前側をドリフトしながら、、、、、、もう一度フラッタリング、、、、、
そのまま漂い切ろうとする刹那・・・・・
モヤモヤ・・・・・フッ! またしても、、、吸い込んでいく大型のライズ!
闇の中、微かに認識できた視界から毛鉤が姿を消した。

強く意識して・・・間を一拍置いた、ラインを滑らせながら竿全体でのセットフック動作。
ドズンッッッ・・・!! 乗ったーーーーー!!
グンッ・・・グンッ・・・グンッ・・・・・・・・・・
大きく重厚な振幅のローリング!
FC-8303改はフッキング動作で強くフルベンドしたままの状態、、、ラインのテンションを一杯に締め上げている。
そのプレッシャーを受けて、なお平然と魚は川底へと向かって行ったのだ。。。
大型の山女魚だ。。。それもスーパーヘビー級の・・・・・。
確かに鉤掛りまでは、、、、、上手く行ったが、、、、、
超弩級の山女魚はピタリと流れの底に潜航したまま張り付いてしまった!
息を呑んで、魚の出方を伺う。。。。。 糸の先には途方も無い大きな山女魚が。。。。。
ひっそりと、動かない、、、意に介していないんだ、、、、デカイ、、、、デカイ、、、、
グンッ、、、グンッ、、、、、竿全体でのリフティング・プレッシャーを受けながら、超弩級山女魚は動き出した。
一本の大きな流木でも掛かったような流れの抵抗を感じる重さ、、、、、竿はグリップまで曲がってこれに応酬するが、山女魚は全く抵抗無く下流へと移動を始める。
重厚な、、、そして滑らかに加速していく超弩級山女魚の動き、、、、、重厚なローリング・ファイトがそれに加わって・・・・・。
ジッ、チュィーーーーーーーーーーッ、ィッ、、ジュ、イィィーーーーーーーーン、、、、、、、、、、、、
Hardy FeatherWeightの逆転音が夕闇の広瀬本流へと響き渡る。。。
突然、、、、、反転する超弩級の山女魚。
水面に突き刺さったままのラインが押しの強い深瀬を物ともせず上流へと疾い動きで移動して行く。
再び、Hardy FeatherWeightの逆転音。。。。。今度は少しだけ短く。。。
何度も何度も山女魚は広瀬本流を巡航し、その後ろを従者のように引き回される自分が居た。。。
山女魚と自分の応酬は時間の経過と共に・・・・・圧倒から均衡に、、、、、そして抑制へ、、、、
次第にその力学バランスはこちら側に傾き、、、、、ついに、、、闇の中のランディングを敢行!
いや~、、、見えた魚体といつものネットを見比べて・・・瞬間、青くなったのが本当のところ。
これまでは普通の 尺 なら問題無かったのですが、この超弩級山女魚は体高があり過ぎてフレームを潜らない恐れがあったのです。
実際、ネットに頭半分だけ入ったのを見計らい、残る片手で尾鰭の付け根を押さえ込んで岸辺に突進する・・・なんて大騒ぎのランディングになってました。
ネットに収まった瞬間の魚体の重いこと・・・・・。
川岸まで戻る間、山女魚が暴れる度に、愛用してきたネットが壊れてしまうんじゃないかと本気で思いました。
しかし、、、ファイトもさることながら、このオス山女魚の持つ品格・迫力に見蕩れましたね。
体高・肉厚・鼻の曲がり具合・魚体の色艶・ヒレの張り、、、改めて、、、こんな山女魚が棲む広瀬本流には再び驚かされました。

今回、素晴らしい山女魚と出会えた事を広瀬川に感謝です。
川辺から帰宅して、未だ、山女魚の躍動感が、、、竿を握った右腕、そしてランディングした左腕に強く残っています。 自分だけの秋の記憶に、もう一つの物語が追加されました。
何時の日か、、、再び、大山女魚に出逢えることを願いながら。。。
深まる秋の良い釣り旅を!
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